米Computer Sciences(CSC)と米DynCorpは,CSCがDynCorp社を買収することで両社が合意に達したと米国時間12月13日,発表した。

 買収金額は約9億5000万ドルで,DynCorp社が持つ2億7300万ドルの負債もCSCが引き継ぐという。CSCは,DynCorp社の株式1株につき15ドルの現金および43ドル相当のCSC株式と交換する。

 なお両社の取締役会は,すでにこの買収条件を満場一致で承認したという。ただし買収を実施するには,DynCorp社の発行済み株式約11万株の過半数を保有する株主から承認を得る必要がある。CSCでは,買収は2003年第1四半期中に完了すると見込む。

 DynCorp社は未公開のIT/アウトソーシング会社で,米国国防総省,州政府などを顧客とする。システム/ネットワーク統合,ハイテク関連,防御計画/メンテナンス・サービス/偶発事故に対する支援,国防セキュリティ・サービス,重要度の高い防衛資産に関するインフラ管理などのサービスを提供している。2001年10月から2002年9月期の売上高は23億ドル,技術スタッフ数は2万3000人。世界に550カ所以上の事務所を持つ。

 買収によりDynCorp社の事業と従業員は,CSCの連邦政府部門(Federal Sector)の傘下に入る。同部門の従業員数は現在約1万5000人。「DynCorp社を組織内に取り込むことで,米国連邦政府市場における当社の影響力を大幅に強化できる」(CSC)

 なお買収が完了すると,CSCは連邦政府市場から年間約60億ドルの売上高を得ることになるという。米国政府関連の業務に関わる従業員数は合計で3万8000人近くになるとみる。

 「この買収により,当社は米国連邦政府市場におけるリーダーシップの立場をさらに高める機会を得る。さらに,新たに創設されるHomeland Security Department(米国国土安全保障省)からの要求と,連邦政府のサービス・プロバイダへの依存増加に対応するための能力を強化できる」(CSC会長兼CEOのVan B. Honeycutt氏)

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