「9月11日の同時多発テロ事件やその後の対テロリズム攻撃といった状況にもかかわらず,企業の情報システムはサイバー攻撃に対してまだセキュリティが非常に甘い」。米Computer Sciences(CSC)が米国時間11月19日に,企業の情報セキュリティに関する調査結果を発表した。

 調査は世界の企業のIT責任者1000人以上を対象にアンケートを実施したもの。金融サービス,ヘルスケア,コンシューマ商品,政府機関といった分野の企業に勤務する最高情報責任者や技術部門部長などが含まれる。調査対象企業のうち34%が北米,29%が欧州,13%がオーストラリア,24%はアジアだった。

 主な調査結果は以下の通り。

・46%の企業は,正式な情報セキュリティ・ポリシーを持っていない。

・59%の企業は,情報システム・ファンクション(Information System Function)をサポートする正式な遵守プログラムを持っていない。

・68%の企業は,定期的なセキュリティ危険度分析やセキュリティ状況追跡を行っていない。

 調査によると,同時多発テロ事件以前のIS管理者は情報システムの保護やセキュリティ確保に関して全体的になおざりだったという。企業にとって最も重要な事項をグローバル技術責任者に質問したところ,「システムの脆弱性を最小限にくい止め,情報リソースを保護すること」は5位だった。

 1位は「既存の企業システムで最大限の利益を得ること」,2位は「組織的有効性の最適化」である。昨年の調査で5位だった「e-business戦略の展開」は12位に落ちた。

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