「情報アクセス・ツール(ITA)市場でビジネス・インテリジェンス(BI)ツールへの興味と需要が増し,同部門の収益は2006年までに75億ドルに到達する」。米IDCが米国時間6月20日に,世界のITAツールに関する調査結果を発表した。

 「景気低迷がBI市場に影響を与えているが,企業は依然としてBIツールに強い興味を示している。企業は事業のパフォーマンスの最適化を望み,顧客とサプライヤ関係の管理,内部オペレーション/生産プロセスなどに実行可能なインサイトを提供するしてくれるBIツール着目している」(同社のリサーチ・マネジャのDan Vesset氏)

 IAT市場全体では,SAS Instituteが9.9%のシェアで引き続き首位を守っているが,もっとも獲得シェアを伸ばしたのはSAP AGだった。同社はパッケージ・データ・ウェアハウス製品でシェアを1.8%伸ばしている。

 IDCでは,BIツールをIAT市場全体のサブセットと定義しており,エンドユーザー・クエリー/レポート,多次元解析,データ・マイニング,パッケージ・データ・ウェアハウス,ESIソフト部門で構成すると考えている。BIツール市場は,Cognos社が5つの部門向けのソフトウエア・ライセンスとメンテナンスからの収益でリードしている。

 同社は,エンド・ユーザー・クエリー/レポート部門が引き続きBI市場でもっとも大きい部門になり,現在の市場シェア46.6%を47.8%に伸ばすと予測している。この部門では,Business Objects社が引き続きリードする。パッケージ・データマート/ウェアハウス市場はもっとも成長率が高く,2006年まで年間成長率25.9%で拡大すると予測している。

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