コグノスのザンボニーニCEO BI(ビジネス・インテリジェンス)ソフト大手で,カナダに本拠地を置くコグノスが日本市場に注力し始めた。同社のロン・ザンボニーニCEO(最高経営責任者)は,「2002年は日本での売り上げを前年より40%以上増やす」という目標を掲げる。同社はこれまで帝人との合弁会社「帝人コグノス」を通じて,日本でのビジネスを展開していた。しかし帝人が本業重視の姿勢をより明確に打ち出したこともあり,両社は今年3月で合弁契約を解消。コグノスは帝人コグノスを100%子会社化し,「コグノス・ジャパン(http://www.cognos.co.jp/)」として再出発させた。

 日本における売り上げを拡大するために,コグノスは製品やサポート体制を見直す。まず金融,通信といった特定業種向けの分析用テンプレートを用意する。「日本企業の特性に合わせたテンプレートにする」(ザンボニーニCEO)。すでにベータ・テストを始めており,近々正式に提供する。テンプレートを使いこなすための教育・研修プログラムも実施する。このほか製品の機能強化にも取り組む。「Webブラウザからレポート作成やデータ加工ができる製品を9月にも出荷する」(同)。

 ザンボニーニCEOは「品質に厳しい日本のユーザーの要求にも応えられる」と自信を見せる。同社では,プログラム作成に関わるエンジニアの約3分の1を品質管理担当にあてており,一人ひとりのバグ発生件数を全社で共有するといった取り組みをしている。松浦 龍夫=日経コンピュータ