米国標準技術研究所(NIST:The National Institute of Standards and Technology)と米商務省が米国時間11月8日,米Entrust CygnaCom社に電子セキュリティ標準の研究と開発のための研究補助金を支給する賞(Critical Infrastructure Protection Grant)を授与した。Entrust CygnaCom社は,インターネット・セキュリティ・ソリューションとサービスを世界に提供する米Entrust社の専門サービス機関である。同社は,情報セキュリティのコンサルティングを行う団体であり,米国連邦政府向けに専門のサービスを提供している。

 NISTは,CIP Grants Program (CIPGP)のもとに,重要なインフラのセキュリティ(CIP :Critical Infrastructure Protection)強化に取り組む団体に与える9つの研究補助金の1つをEntrust CygnaCom社に支給する。NISTによれば,この補助金の目的は,必要不可欠なサービスをサポートするコンピュータと通信システムを構築するための努力を促進することにある。CIPGPは,政府のコンピュータ・システムと重要なインフラをサイバーテロから守ることに重点が置かれている。

 この補助金は,Entrust CygnaCom社の「Engineered Compositions for Infrastructure Design」の研究プロジェクトに対して与えられた。この研究は,Common Criteriaの方法論を用いて,小型コンポーネントから大規模な情報技術を構築するというもの。Common Criteriaは,コンピューティング・システム製品のセキュリティで14カ国で認定を受けている国際標準である。

 さらに,Entrust CygnaCom社のセキュリティ技術のディレクタであるMiles Smid氏と,シニア・ソフトウエア開発者のJuan Soto Jr氏が,U.S. Department of Commerce Group Gold Medal for Leadershipを受賞した。この賞は,NISTのセキュリティ部門内のAES(Advanced Encryption Standard)の開発において,10人のメンバーで構成されるチームを統率した功績が認められたもの。授賞式は11月7日にワシントンDCにて行われた。

◎関連記事
エントラスト、電子政府認証基盤に適合したソリューションを発表
米エクソダスと米エントラストが認証で提携,モバイル・インターネット対応
業界団体SIIAがオンライン・ビジネスにおける消費者データ保護の枠組みを発表
セキュリティ・ベンダーがAES最終候補「Rijndael」の採用を相次いで発表
「安全性は合格,処理速度に大きな差」,IPAが国産暗号の比較結果を公表

発表資料へ