米IBMがニューヨークで開催されたLinuxWorld New York 2003で米国時間1月22日に,Linux対応の新しいソフトウエアやハードウエアのほか,Linux対応PDA向け参照設計,Linuxアプリケーション開発者向けサポートなどを発表した。主な内容は以下の通り。
・「Lotus iNotes Web Access」対応Linuxクライアント:
Lotus iNotesがLinux用Netscapeに対応し,WWWにログオンするだけで電子メールや予定表などLotus Notesの機能を利用可能となる。これによりLinuxユーザーは,柔軟なブラウザ・ベースのメッセージングを使えるので運用コストなどを削減できる。
・Java/Linux対応の低消費電力機器向け参照設計:
ハードウエアおよびソフトウエアからなる参照設計で,PDAやハンドヘルド・コンピュータなど低消費電力機器を対象とする。プロセサは「IBM PowerPC 405LP」,OSは米MontaVista SoftwareのLinuxカーネル「MontaVista Linux Consumer Electronic Edition(CEE)」を採用する。2003年第2四半期に利用可能とする予定。
・「IBM Tivoli System Automation for Linux」:
システム運用にかかる複雑さとコストを削減する目的の高可用性ソリューション。システムに関する問題の自動検出/修復などを行うという。「IBM eServer zSeries」「同xSeries」に対応する。
・zSeriesサーバー向け「IBM eServer Integrated Platform for e-business」:
eServer zSeriesメインフレーム上に統合Linuxソリューションを導入し,eビジネス・システムを構築可能とする。
・「IBM DB2 for Linux Clustering Solution」:
2ノードから1000ノード規模のLinuxクラスタ環境向け高性能データ管理システムを提供する。
・Linux対応「IBM eServer p650」:
ミッドレンジ・サーバーp650用のLinuxを提供する。
・「IBM Speed Start Your Linux Apps 2003」:
WWWサイトにおいて,無料技術サポート,Linux向けソフトウエア評価キット「IBM Software Evaluation Kit(SEK)for Linux」の新版などを提供する。
・IBM eServer pSeries用Linuxアプリケーションの開発支援:
pSeriesのLinuxサーバーに対応するLinux用アプリケーションの作成/移植を支援するため,独立系ソフトウエア・ベンダーやパートナに重要なソフトウエアを無料で提供する。
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