米IBMと米Cadence Design Systemsが米国時間1月20日に,LSI設計の向けLinux最適化に関して提携を結んだことを明らかにした。Cadence社のLSI設計技術をIBM社のサーバー「eServer」とワークステーション「IntelliStation」に対応させる。

 Cadence社の設計技術は「ナノメートルの半導体製造プロセスを可能にする。世界中の無線,ネットワーク,コンピュータや民生電子機器企業に利用されている」(両社)という。提携のもと,Cadence社のLSI設計技術をIBM社の「eServer xSeries」「同Linux Clusters」「IntelliStation」に最適化する。プラットフォームには,米Red Hatの企業向けLinuxディストリビューション「Red Hat Advanced Server」を採用する。

 対象となるCadence社の設計技術には,デジタル検証,物理検証,デジタルIC,カスタムICツールなどが含まれる。また,Cadence社のEDAツールをeServerに移植する。Cadence社とIBM社は,トレーニングや教育のほか,販売やマーケティング活動でも協力体制を敷く。

 「性能,信頼性,コスト効率,開発期間は,現在の電子機器開発で最も重要だ。Cadence社とIBM社は,Linuxの特徴である共通性と多様性を利用して,顧客を成功に導くための取り組みをさらに強化する」(Cadence社最高マーケティング責任者兼副社長のPenny Herscher氏)

 なおCadence社は,LSI設計技術のLinux対応を2003年第1四半期末までに完了する予定である。

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