米IBMが米国時間11月21日に,データベース・ソフトウエア「DB2 Universal Database version 8(DB2 v8)」の一般提供について発表した。「データベース・システムの管理に関する多くの作業を簡素化/自動化できる」(IBM社)

 DB2 v8は,Linux,UNIX,Windowsという各プラットフォームに分散して存在する重要な情報資産を統合する基盤を提供する。「例えば,強化したデータ統合機能により,企業はさまざまな場所にある多種多様なコンピュータ・システム上に保存された多彩な情報を,統合/管理できるようになる」(同社)としている。

 また,自動的に最新のシステム動作状況をデータベース管理者に通知する「Health Center」と呼ぶ機能も備える。データベースやアプリケーションで発生しつつある障害にかかわる情報を知らせ,修復が行われた場合にはそれを報告する。メモリー不足,長すぎるクエリー処理時間,処理能力面の障害発生の際には,管理者が電子メール,ポケベル,PDA経由で警告を受け取り,WWWブラウザから調整作業を行うことができるという。この機能により,管理者はパフォーマンスに影響を与える潜在的な問題を迅速に発見/解決できる。そのため,「従来のシステムに比べ,管理できるシステムの数を5倍に増やせる」(同社)。

 さらに「Configuration Advisor」機能で,データベース・システムの設定にかかる作業時間を短縮し,データベースの性能に影響を及ぼす設定値を手作業で調整せずに済むようにする。いくつか簡単な質問に答えるだけで自動設定できるため,これまで数日かかっていた作業が数分で済むという。

 Webサービスで提供される情報を統合する機能も備える。DB2 v8がSQLクエリーを一つ受け取ると,Webサービスからの情報を整理して提供するので,情報入手の際に専用のアプリケーションを使用する必要がなくなる。この機能により,プログラマは統合作業を迅速に実行でき,複数の企業/顧客/供給業者/従業員をインターネット経由で連結させる作業を自動的に進められるようになる。

 IBM社では,「パフォーマンス強化に関する新機能も用意した」と説明する。「Multidimensional Data Clustering」機能により,大量のビジネス・インテリジェンス(BI)に関するクエリー処理の性能を90%向上できる可能性があるという。「DB2 v8は,単一システムから数100台規模のクラスタ化システムまで構築できる柔軟性を備えている」(同社)

 DB2 v8は直ちに利用可能とする。価格は,中規模企業向けの「DB2 Workgroup Server Unlimited Edition」が1プロセサ当たり7500ドル。ウエアハウス/高度なクラスタリング/64ビット対応などの機能を備える大規模企業向けの「DB2 Enterprise Server Edition」は,1プロセサ当たり2万5000ドルから。

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