「企業は,ビジネス・インテリジェンスとレポーティング・アプリケーションに対する巨額の投資を回収できないでいる」。米Appfluent Technology社が2002年第3四半期に358企業に対してオンライン調査を実施し,米オーランドで開催中の「TDWI World Conference」にて米国時間11月5日に結果を発表した。

 同社によれば,投資回収の失敗は,事業の意志決定に不可欠な迅速かつ正確な情報に対する要求に,ITインフラが対応できていないことが要因であるという。

 多くの企業が,生産性と競争力を維持するのに必要な日々の決定を知らせるために,ビジネス・インテリジェンスとレポーティング・ソフトウエアに巨額を投じている。しかし調査により,企業の生産システムはしばしば対応できていないことが明らかになった。これは,企業がトランザクション,情報,レポート機能のすべてを単一のインフラに依存しているためであり,結果として深刻な情報ボトルネックを生んでいる。

 また,レポーティング・ソフトウエアのユーザーが直面する最大のシステム・パフォーマンスの問題として,レポートを実行するまでに非常に時間が掛かることが挙げられている。しかし,問題を解消するためには法外に高い費用がかかるため,企業はこの問題に耐えていることが明らかになった。

 調査で明らかになったその他の主な結果は次の通り。

・ほぼ半数の回答者が,販売,財務,サポート,在庫/供給チェーン,Webアプリケーションのレポーティングでパフォーマンスに関わる問題を経験している

・レポーティングのパフォーマンスに関して,何の問題も経験したことが無いと回答したのは6%だけだった

・60%を越える企業が,レポートがライブで生産データベース・システムで生成されていないことをシステム・パフォーマンスの問題として挙げている

・問題は,ユーザーのIT問題の解消に当たるシステム/ネットワーク管理者,ITサポート,ヘルプデスク要員,情報技術担当者などのほとんどの前線の従業員に影響を与える

・通信事業サービス企業におけるレポーティングのパフォーマンス問題の発生率が最も高く,卸売業者と流通企業が最も低い

 同社によれば,リアルタイムで経営上の情報レポートを望む企業には,2つの選択肢があるという。1つは,生産システム上でレポート機能を実行する方法で,これはパフォーマンスの低下につながる。もう1つは,データ・ストアまたはウエアハウスなどの別のレポーティング環境を配備する方法である。

 「生産システム上でレポート機能を実行すれば,ユーザーはリアルタイムのデータにアクセスできるが,パフォーマンスは落ちる。専用のレポーティング環境を配備すれば,この問題は解消される。しかし,これは非常に高価で複雑であるとともに集中的な労働の介入が必要となる」(同社)。

 同社の「Appfluent Accelerator」は,リアルタイムのレポーティング向けの経済効率の良い専用インフラを提供する。企業は生産システムからレポーティングのトラフィックを除き,レポーティングと生産アプリケーション両方のパフォーマンスを改善するという。

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