米Aberdeen Groupが米国時間9月24日に,IT支出に関して調査した結果を発表した。それによると,IT管理職は今後半年~1年間のIT予算を平均3.7%増額する予定だという。

 ちなみに2002年2月に行った同様の調査では,IT管理職は「予算を1.4%減額する」と回答していた。「IT支出は徐々に回復している。しかし,1990年代後半のような驚異的な成長には戻らない」(Aberdeen社上級副社長のHugh Bishop氏)

 購入を予定しているアプリケーションのカテゴリは,「SFA(営業支援システム)アプリケーション」(48.0%)が最も多かった。それに「クエリー/レポート/解析ツール」(45.2%),「ヘルプデスクおよび実地サービス用アプリケーション」(44.9%),「財務および会計システム」(44.7%),「データ・マイニング・アプリケーション」(44.2%)が続く。

 「短期的に確実なROIが得られるアプリケーションの需要が高い。短期間で投資回収できないアプリケーションの購入は,経済が回復するまで先送りにされるだろう」(Bishop氏)

 また,今後購入を予定しているITインフラのカテゴリは,「ネットワークおよびシステム管理アプリケーション」が72.0%,「セキュリティ・ゲートウエイおよびサービス」が60.0%,「ストレージ管理ソリューション」と「アプリケーション開発ツール」がともに52.0%,「バックアップおよび復旧ソフトウエア」が48.0%だった。

 Bishop氏は,「企業が最も関心を寄せているのは,既存のIT投資を保護するアプリケーションやITインフラだ」と指摘した。

 また,ハードウエアに対する支出は2002年に2.0%~2.5%増加する見込みである。

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