米Dell Computerと米EMCが米国時間10月28日に,ストレージ・システム製品の製造に関する世界規模の提携を結んだと発表した。

 両社は昨年10月23日に,EMC社のストレージ・システム“CLARiiON”を共同ブランドとするOEM供給の提携を明らかにしている。今回,両社は共同ブランドの新製品となるエントリレベル・ストレージ・システム「Dell EMC CX200」の製造で協力体制を敷く。Dell社はDell EMC CX200の製造に,テキサス州オースチン,アイルランドのリメリック,マレーシアのペナンにある工場を使う。EMC社はDell EMC CX200を含むCLARiiON製品をノースカロライナ州アペックスとアイルランドのコークの工場で製造する。

 「この1年間,Dell社とEMC社は製品供給,販売,サービス,トレーニングなどで協力してきた。今回,製造に関して力を合わせる」(EMC社社長兼CEOのJoe Tucci氏)

 Dell EMC CX200は2GビットFibre Channelに対応する。データ転送速度は200Mバイト/秒で,データ保存容量は最大2.2Tバイト。2002年末までにDell社から発売を開始する。価格は2万8000ドルから。

 両社によると,過去1年間で共同ブランド製品を導入した顧客は,Bombay社,Computer Sciences CSC社,米Cox Communications,Mercedes Benz社,Reckitt Benckiser社,米国士官学校,ニューヨーク州立大学バッファロー校,Warburg Dillon Read社などを含め,1500社以上にのぼるという。ちなみにDell社とEMC社は過去10週間でDell EMC CX200のほか,「Dell EMC CX600」と「同CX400」を発表している。

 またDell社は,Dell EMC製品とDell社製ストレージ・アレイ「PowerVault」に対応したネットワーク管理ソフトウエア「VisualSAN」を販売することを同日明らかにした。VisualSANはEMC社が買収したPrisa Networks社の製品である。2003年初頭にリリースする予定。価格は4000ドルから。

◎関連記事
米デルと米EMCがストレージ“CLARiiON”を共通ブランドに,数十億ドルの契約
米EMCがネットワーク・ストレージ製品をミッドレンジとロウエンド市場に拡張
米EMCと米オラクル,ストレージ・ネットワーク関連の共同サービス・センター「Oracle and EMC JSC」を開設
米IBM,“ピザ・ボックス”型の中企業向けストレージ・アプライアンスを発表
米HPと日立がストレージ・アレイに関する技術提携,APIを相互提供
「2006年のストレージ・ソフト市場は2001年の2倍以上に拡大」,米IDCの調査
「2002年ストレージ市場は大きな成長はなし。ただしSAN/NASは健闘」,米企業の調査
米サンがストレージ・アレイ「StorEdge 3300」を発表,「エンタプライズ向け機能をエントリ・レベルの価格で」

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]