米IDCが米国時間7月23日に,ストレージ・ソフトウエア市場に関して調査した結果を発表した。市場は2001年に前年比0.9%の成長にとどまったが,2006年には2倍以上の136億ドル規模に拡大する見込みだという。ストレージ・ネットワーキングの進歩と,低コストのストレージ製品の登場が市場成長をけん引する。

 「現在の大規模で複雑なストレージ・システムが,革新的な統合ストレージ・ソフトウエア製品への需要を生みだしている。ストレージ・システム管理を自動化する製品を提供し,技術の変化や新たなストレージ・アーキテクチャに対応できるソフトウエア・サプライヤが,新たな事業機会をつかんで急速な成長を維持することができる」(IDC,Storage Softwareサービス部門調査ディレクタのBill North氏)

 IDCは,「中でも,ストレージ・リソース管理分野が今後5年で最も急速に拡大する」と,予測している。同分野の年平均成長率は21.6%。ストレージ・ネットワーキングを視野に入れた高性能のリソース管理ツールの普及と,既存のストレージ・システムをさらに活用するための企業の取り組みがこの分野の成長を支える。

 バックアップ/圧縮および階層型ストレージ管理(HSM:hierarchal storage management)とストレージ複製の2分野は,経済低迷とIT支出引き締めにより2001年に落ち込んだが,今後5年で回復をみせる。

 またIDCは,主に以下のトレンドがストレージ・ソフトウエア市場の成長を促進するとみている。

・旧式システムの買い換えに伴い,ネットワーク化したストレージ・ソリューションの導入が今後も増加する。

・ネットワーク・ストレージ環境の規模が拡大し,多様化するため,ストレージ管理の範囲外で動作するストレージ製品を統合および接続する機能が求められる。

・SAN管理およびストレージ・リソース管理ソフトウエア分野は,付加価値などの差異化が図られ,激しい競争が続く。

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