米Dell Computerと米EMCが米国時間10月22日に,ストレージ・システムのOEM供給に関し提携関係に入ったことを明らかにした。契約期間は5年。数十億ドル規模の契約になると両社は見込んでいる。

 EMC社の“CLARiiON”を共同ブランドとする。Dellは,CLARiiON製品ラインの主要再販売業者となる。今後CLARiiON製品をSAN(Storage-Area Networks)とNAS(Network-Attached Storage)における標準とする。顧客への提供は11月からになる見込み。

 EMC社は,技術サポートとインストールに関してDell社のサービス要員を支援するとともに,トレーニングを実施する。CLARiiONの製造で,Dell社の資材調達能力と製造能力を利用することも視野に入れている。

 Dell社の顧客からEMCの主要製品ストレージ製品「Symmetrix」とソフト導入の要請があった場合に,両社が協力することも提携に盛り込まれている。両社はオープンなネットワーク・ストレージ・システムの標準仕様策定と共同開発でも合意に達した。

 なお両社の提携については,9月末の時点で米ウォールストリート・ジャーナルや英ロイターなど欧米メディアがすでに報じている。ちなみに,EMC社は1999年にストレージ機器の米Data Generalを10億ドル強で買収しており,CLARiiONはこの際にDataGeneral社から獲得したもの。Dell社はData General社の主要顧客であり,CLARiiONに関し再販契約も結んでいたが,EMC社が同社を買収後契約は解消された。

 ストレージ市場では,2001年7月にも,日立製作所の米国子会社である日立データシステムズ(HDS:Hitachi Data Systems)が米Hewlett-Packard(HP)米Sun Microsystemsとストレージ製品の再販に関し相次いで契約を結んでいる。HP社は日立の大規模システム向けディスク・アレイ製品やストレージ管理用ソフトをOEM調達し,ディスク・アレイ製品系列「Surestore XP」として顧客に提供している。Sun社は日立の大規模ストレージ製品「Freedom Storage Lightning 9900」を自社ブランドの新製品「StorEdge 9900」として世界規模で販売している。

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[Dell社の発表資料]
[EMC社の発表資料]