米Peripheral Conceptsが米国時間8月27日,ストレージ市場に関する調査結果を発表した。それによると,2002年におけるストレージ市場全体の売上高は大きく増加することはなく,2000年と同等の240億ドル程度にとどまる見込み。多くの企業で売上高が2001年を下回る見込みだ。2001年の前半が非常に好調だったためである。

 ただしストレージ・ネットワーキングは,他の分野より健闘している。SANおよびNAS向けシステム,ソフトウエア,コンポーネントは約20%成長するとみる。

■ストレージ市場の分野別売上高推移(単位:10億ドル)
        1998年   1999年   2000年   2001年  2002年   2003年   2004年
DAS      17.2     18.4     18.8     16.5    15.3     14.3     13.1
NAS       0.4      0.8      1.7      2.3       3        4      5.2
SAN       0.8        2        4      4.7     5.8      7.5      9.8
合計     18.4     21.2     24.5     23.5    24.1     25.8     28.1

出典:Peripheral Concepts社

 経済低迷でも,開発者は革新の歩みをゆるめなかった。過去18カ月間に,十分な資金を抱えた100社以上の新興企業が成長している。Peripheral Concepts社社長のFarid Neema氏は,「新技術の進歩により,ストレージ・ネットワーキングの展望はすっかり変わろうとしている。昨年の時点で有望とみられた技術は,短期的な一時しのぎにしかならないかもしれない」と述べている。

 最も重大な進歩は次の三つの分野で起こっている。一つは,サーバー,低レイテンシのマルチプロトコル・スイッチ,仮想化エンジンの機能を組み合わせた新たなハイブリッド・デバイス。インテリジェント/ルーティング・スイッチまたはアプライアンス,グローバル・コントローラなどと呼ばれており,SANとNASの融合を実現するための最良の手段となるだろう。二つ目はデータ・アクセラレーション技術で,シリコン・インプリメンテーションと組み合わせたパラレル処理に関するものだ。最後の一つは,仮想化およびアグリゲーション・エンジン。これにより,NASやSANの一部の重大な欠点が解決しつつある。

 Peripheral Concepts社は,「SANとNASは引き続き大きな市場機会を提供するだろう」と,結論づけている。

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