米IBMが米国時間3月23日に,ストレージ・ソフトウエアに関する今後の取り組みについて明らかにした。業界標準技術やLinuxを活用し,「ストレージ・ネットワークに知性を与える」(IBM社)という。

 この取り組みの一環として,同社はストレージ管理の標準技術と各種の同社技術を組み合わせる。これにより,「顧客がコストを削減しながら情報をより効率よく管理できるようにする」(IBM社)。

 具体的には,同社のソフトウエア技術,研究活動,システム管理技術を次の3つの分野に適用していく。

・仮想ストレージ・エンジン:Linuxベースの仮想ストレージ・ソフトウエアを提供する。ストレージ利用の効率を高め,企業がTCO(Total Cost of Ownership)を削減できるようにする。2003年の提供開始を予定する。

・ファイル・システム:「Storage Tank」と呼ぶ同社のファイル・システムを提供する。ストレージ・ネットワーク上でファイルへのアクセスや保存/管理を最適化する。こちらも2003年に利用可能となる予定。

・標準技術ベースの管理インタフェース:SNIA(Storage Networking Industry Association)の提唱する標準技術に基づいた管理インタフェースを提供する。各種のデバイスや,Storage Tank/仮想ストレージ・エンジンといった同社製品を標準技術に準拠した管理ソフトウエアで管理できるようにする。こうした管理ソフトは同社のTivoli部門が提供していく。

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