ストレージ業界の大手企業が,共同で開発した二つのSAN(Storage Area Network)ソリューションの相互操作性テストを完了した。INRANGE Technologies社が米国時間1月24日に発表したもの。ストレージ管理の合理化とデータの可用性保護に向けたソリューションである。

 開発とテストに参加した企業は,INRANGE社のほか日立製作所の米国法人Hitachi Data Systems(HDS),米IBM,米StorageTek,米VERITAS Software。

 今回テストを行ったソリューションは,SANなどの標準化を手掛ける業界団体Storage Networking Industry Association(SNIA)のフォーラム「Supported Solutions Forum(SSF)」に提出/登録された主要な取り組みの第2弾である。複数ベンダーによるディスク・ストレージ,複数ベンダーによるテープ・ストレージ,複数ベンダーによるバックアップおよび修復ソフトウエアを拡張性の高い共通のネットワーク・ファブリックにつなげることを目的としている。

 ソリューションの構成とテストの主な内容は以下の通り。

・INRANGE社のカスケード式64ポートと128ポート・ディレクタ「FC/9000」で構成した192ポートのファブリックを用意

・IBM社のサーバー「Enterprise Storage Server」とHDS社のサーバー「Freedom Storage Systems」を同じデータ・ゾーンに設定

・IBM社のテープ・ライブラリ「3494 Tape Library」(テープ・ドライブ「 3590E」を付属)とStorageTek社のテープ・ライブラリ「L700 Tape Library」(テープ・ドライブ「 9840」「9940」を付属)を同じデータ・ゾーンに設定

・VERITAS社の「NetBackup」ソフトウエアとIBM社傘下の米Tivoli Systemsの「Storage Manager」ソフトウエアで,ディスク・ストーレジとテープ・ライブラリ間のLAN-Freeバックアップ/復旧を別々にテスト

・VERITAS社のDynamic Multipathing(DMP)機能を備えたストレージ容量管理ソフト「Volume Manager」を用いて,すべてのディスク・アクセスに対するパス・フェイルオーバ,ダイナミック・マルチパス,負荷分散を実行

・SunとWindowsベースのサーバーをテスト対象のすべてのストレージ製品と接続し,ディスクとテープの両データ・ゾーンにわたって動作

 新たなソリューションはSSFの「Competitive Solution Set」および「Companion Solution Set」としての基準を満たしたという。

 「データ容量が膨大になり,ストレージ・ネットワークが巨大で多機能になるとともに,異なるストレージ・システムの相互操作性がますます重要になる」(SSF議長のMarc Oswald氏)

 今回発表したソリューションに関する情報は,SNIAのWWWサイトから入手できる。

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