NetAppのサントラ上級副社長 「CIO(情報統括役員)がストレージで悩んでいる問題は四つある。(1)ストレージ・コンソリデーション(統合),(2)バックアップ/リストア(復元),(3)ディザスタ・リカバリ,そして(4)遠隔地でのストレージ管理だ。当社はこれらすべての問題を解決できるようにしていく」。こう語るのは,米ネットワーク・アプライアンス(NetApp,http://www.netapp.com/)でワールドワイドのマーケティングを担当するマーク・サントラ上級副社長(写真)である。

 NetAppは,ネットワークに直接接続して利用できるストレージ装置であるNAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)メーカー大手。サントラ上級副社長は,すでに(1)と(2)の問題に対応できていると話す。「コンソリデーションでは,すでに大規模な事例が出ている。ドイツテレコムは,Windows NTを搭載するファイル・サーバー1000台を,当社のNAS100台に集約した。国際展開する大手証券会社は,3500台のサーバーを当社のNAS1000台に置き換えた」。

 バックアップ/リストアに関しては,「現在はバックアップの方法として,テープ装置もしくはディスク装置のRAIDを使うのが主流になっている。しかし,テープは安価だが時間がかかるし,ディスクは速いが価格が高い。当社はテープとRAIDの中間を狙い,“速くて安い”装置を提案していく」(サントラ上級副社長)。同社は3月にそのためのNAS製品「NearStore R100」を出荷(日本では4月から出荷している)。「コストは1Mバイトあたり,わずか2セントで済む」(同)。

 さらに同社は,NASをファイバ・チャネルまたはiSCSI(TCP/IP上でSCSIコマンドが使えるようにするプロトコル規格)で接続できるようにすることで,ディザスタ・リカバリや遠隔地でのストレージ管理にも積極的に対応していく。今夏にファイバ・チャネルに接続するためのスイッチを出荷し,今秋にiSCSIへの対応を予定している。「CIOの関心はテクノロジではなく,実際にどう使えるかということ。ニーズにこたえるよう製品ラインアップをそろえ,必要に応じてユーザーに選んでもらえるようにする」(サントラ上級副社長)。

鈴木 淳史=日経コンピュータ