米Microsoftは米国時間10月17日,2003会計年度第1四半期(2002年7月~9月期)の決算を発表した。売上高は77億5000万ドルで,前年同期の61億3000万ドルと比べて26%増加。投資損失に伴う税引き後費用を含む純利益は27億3000万ドル(希薄化後の1株当たり利益は50セント)。前年同期における同条件の純利益は12億8000万ドル(同23セント)だった。
ちなみに当期は2億9100万ドルの投資損失を計上,前年同期は12億2000万ドルの投資損失を計上した。
当期の営業利益は40億5000万ドル,前年同期は29億ドルだった。
「当期は事前の予想を上回る素晴らしい結果となった。期待以上に多数の顧客がライセンシング・プログラムを受け入れ,Microsoft社製品の長期ライセンス契約における利点を認識したようだ。それが,Windows XP,Office XP,.NET Enterprise Serversの急成長につながった」(Microsoft社CFOのJohn Connors氏)
Microsoft社によると,Windows XPは2001年10月25日に発売開始以来,6700万本以上がパソコンに組み込まれ,コンピュータ・メーカーから販売されているという。
2002年7月~9月期の業績を事業別にみた場合,Windows XPを含むクライアントOS事業は33%成長。Office XPを含むインフォメーション・ワーカー事業は,26%成長した。Windows 2000 Server,SQL Server 2000などが好調だったサーバー・プラットフォーム事業の売上高は14%増加。MSN事業(Expediaを除く)は,広告販売とサービス加入者による収入が増加し,23%成長した。
■地域別業績(単位:100万ドル) --------------------------------------------------- 2001年 2002年 7~9月期 7~9月期 --------------------------------------------------- 米大陸 $2,345 $2,733 欧州/中東/アフリカ 1,105 1,499 アジア太平洋(日本を含む) 692 860 OEM 1,984 2,654 合計 $6,126 $7,746 --------------------------------------------------- 出典:Microsoft社
■事業別業績(単位:100万ドル) --------------------------------------------------- 2001年 2002年 7~9月期 7~9月期 --------------------------------------------------- クライアントOS $2,138 $2,851 サーバー・プラットフォーム 1,395 1,587 インフォメーション・ワーカー 1,808 2,273 ビジネス・ソリューション 74 106 MSN 430 427 CE/モバイル 14 17 家庭/エンターテインメント 267 485 合計 $6,126 $7,746 --------------------------------------------------- 出典:Microsoft社
Microsoft社は今後の見通しについても明らかにした。2003会計年度第2四半期(2002年10月~12月期)の売上高は85億ドル~86億ドルの範囲。希薄化後の1株当たり利益は45セント~46セントとみる。営業利益は32億ドル~33億ドルとの予測である。
2003会計年度通年(2002年7月~2003年6月)の売上高は322億ドル~326億ドル,希薄化後の1株当たり利益は1ドル89セント~1ドル95セントの範囲。営業利益は141億ドル~144億ドルと予測する。
◎関連記事
■米マイクロソフトの2002年4月~6月期決算は予測を上まわる好業績,「デスクトップ向けソフトが好調」
■米マイクロソフトの1月~3月期決算,前年同期比13%増収だが予測を下回る
■米マイクロソフトの10~12月期決算,売上は前年同期から18%増で過去最高
■米IBM,2002年3Q決算。売上高198億ドル,17億ドルの黒字
■米インテルが2002年Q3決算を発表,売上高65億ドルで下方修正の範囲内
■米アップルの2002年7~9月期決算は4500万ドルの赤字,「Mac」出荷台数が前年同期比14%減
■米AMDの2002年Q3決算,前年同期比34%減収で赤字を拡大
■米デル,2002年8月~10月期決算を上方修正。売上高は前年同期比22%増の見込み
[発表資料へ]