カナダのATI Technologiesは現地時間10月7日,DRAMベンダー各社とともに第3世代グラフィックス用途DDR DRAMの仕様「GDDR3」を発表した。

 現在のDDR DRAMのクロック周波数は最大400MHzだが,GDDR3はまず500MHzを実現し,最大800MHzを目指す。GDDR3を採用した製品は,エルピーダメモリの米国事業Elpida Memory (USA)などが2003年にリリースする見込みだという。

 「GDDR3は,グラフィックスによる実物に近い仮想世界の創造を加速化するだろう。今後のコンピュータ・グラフィックスのレベルをさらに引き上げる」(ATI Technologies社マーケティング部もの上級バイス・プレジデント兼デスクトップ部門ジェネラル・マネージャのRick Bergman氏)

 過去4年間にわたるDDR DRAMの進歩で,単純な3次元(3D)をレンダリングするグラフィックス・アクセラレータは,実物に近い映像をリアルタイムで再現するVisual Processing Units(VPU)へと発展した。「GDDR3は,グラフィックス業界が常にDRAM技術を率先して導入している姿勢を示すものだ。それだけでなく,GDDR3は業界標準規格が登場する前の市場向けに設計した最初のDRAMである」(ATI Technologies社)

 米Micron,Computing and Consumer Group部門Advanced Technology and Strategic Marketing担当執行ディレクタのTerry Lee氏は,「我が社のメモリーに関するノウハウを使って,GDDR3で理想的なグラフィックス用途の高速DRAMを実現する。GDDR3を取り入れた製品は大幅に性能が向上し,グラフィックス分野で急速に普及するだろう。そして,幅広いアプリケーションに広まることを期待する」と述べた。

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