米Evans Dataは米国時間10月7日に,「開発者の間で.NETとJavaの人気がほぼ二分されている」などとする調査結果を発表した。

 調査は600人以上の開発者を対象に,2002年9月にアンケートを実施したもの。

 現在,米Microsoftの.NET向けにアプリケーション開発を行っている開発者は40%で,Java向けに開発を行っている開発者は51%である。しかし,1年後に開発するWebサービスのプラットフォームを尋ねたところ,.NETが63%でJavaが61%と,ほぼ同じ割合になることがわかった。

 Webサービスを利用するアプリケーションは今後1年間に急増する。現在,Webサービスの開発に従事している開発者は全体の57%だが,来年は87%に達する見通しだ。

 「現在Webサービスを開発している」あるいは「今後6カ月間に開発する予定」と回答した開発者は43%だった。最初は主にビジネス・プロセスなどの内部アプリケーションでWebサービスが利用される。

 しかし,開発者によるWebサービス導入の道は決して平坦ではない。開発者にWebサービスを実装する際の課題について尋ねたところ,「エンド・ツー・エンドのセキュリティ」(24%),「曖昧なWebサービス標準」(21%),「サービス指向のアプリケーション・アーキテクチャの構築と統合」(16%)などがあげられた。

 Webサービス向けのセキュリティ技術としては,「XML暗号」(46%),「SOAPベースの仕様」(42%),「XMLデジタル署名」(42%弱)などが主流であることがわかった。

 Evans Data社アナリストのEsther Schindler氏は,「Webサービスはようやく,単なる流行の技術から,実用的なビジネス・ソリューションへと変わりつつある。Webサービスは6カ月前まで,社内の部署で試験的に開発されていたようだが,今は全社的に導入する企業が増えている。いよいよ本格的な普及期を迎えるだろう」と予測した。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・電気通信分野の低迷にも関わらず,無線向けアプリケーションの開発が増加する。今後1年間に無線向けアプリケーションを開発する予定の開発者は48%。

・LinuxプラットフォームにおけるWebサービスの開発も増加する。Linuxを主たるOSとして開発を行う開発者は8%。二次的なOSとして開発を行う開発者は15%。

・「Visual Basic」を利用する開発者の数は安定している。しかし,「Visual Basic 6.0」以前のバージョンから「Visual Basic.Net.」への移行が確実に進んでいる。

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