米Gartnerが米国時間1月14日,Webサービスに関する予測分析を発表した。2002年に多数の企業がWebサービスに関心を持つようになる。また2004年にFortune 2000企業が導入する新しいアプリケーション・ソリューションのうち,Webサービスが大きな割合を占めるとみる。

 Webサービスとは,標準インターネット技術を介して動的な連携が可能なソフトウエア・コンポーネント。企業はITシステム間を連携させるための膨大な開発業務を回避できる。またWebサービスを通じて,ITシステム同士の業務プロセス,情報,タスクが共有可能になるため,企業間および企業/消費者間の業務に,即座に恩恵をもたらすことができる。

 Gartner社は,企業が将来,Webサービスを本格的に活用できるように,2002年から開発者にWebサービスの利用を促すべきだという。

 「企業は2002年に,リスクの低い方法でWebサービスを社内の開発業務に利用し始めるべきだ。少数の例外を除き,Webサービスをリスクの高い業務や技術プロジェクトに統合するのは,少なくとも2004年まで待ったほうがよい。企業はまず,Webサービス技術を用いて改善できる開発業務を調べ,2002年前半にWebサービスを導入するのが賢明だ」(Gartner社副社長兼リサーチ・ディレクタのDavid Smith氏)。

 主要ベンダーの多くは,自社のソフトウエア・アーキテクチャにWebサービスを統合しつつある。2003年には,プラットフォーム・ベンダーの80%がWebサービス・アーキテクチャに対応する見通しだ。Webサービスは次世代のプラットフォーム・ミドルウエアになるとみられている。

 Gartner社は,「米MicrosoftがWebサービスに強い影響を与えているが,米Sun MicrosystemsのJava技術をベースにしたアーキテクチャやソリューションもMicrosoft社の技術同様,重要になる」と予測している。Java Community ProcessはすでにWebサービス関連の標準策定を進めているという。なおJavaは2002年末にはWebサービス・アーキテクチャにおいて大きな役割を果たすようになるが,2003年末まではSun社ではなく他社が市場をリードするとみる。

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