米Intel,米Altiris,米Detto Technologies,米Eisenworld,米IBM,米Laplink,米Microsoft,米Miramar Systems,米Symantec,米Tranxitionが,パソコンのアップグレード時に行うデータ移行作業の簡素化を目的とする業界団体「PC Migration Work Group」を設立した。メンバー企業が米国時間9月4日に明らかにしたもの。「当団体の活動により,企業も個人もパソコンのアップグレードを迅速かつ簡単に行えるようになり,ストレスを減らせる」(PC Migration Work Group)

 「パソコン市場が拡大を続けているため,販売されるパソコンの多くが旧機種からの買い替え需要によるものになりつつある。古いパソコンの中にある個人のデジタル・コンテンツが増大し,またそれら情報の重要性も高まっている。これにより新しいパソコンへの移行は非常に困難な作業になってしまった」(Intel社のイーズ・オブ・ユース活動担当マネージャでPC Migration Work Groupの会長に就任したAlec Gefrides氏)

 同団体は,アップグレード作業を簡単にすることが,パソコン交換作業の重要な要素になるとみている。現在では,古いパソコンに入っているデータや電子メール,住所録,ブックマーク,ユーザー独自の設定といったものを新しいパソコンに移行するには,数日から数カ月かかることがあるという。PC Migration Work Groupでは「移行作業にかかる時間を可能な限り短縮するだけでなく,現在利用可能な最新の移行ソリューションの知名度向上も支援する」という。

 また同団体は,パソコンの総所有コスト(TCO)についても検討対象にするとしている。ちなみに,Intel社が引用した米Gartner Groupの調査報告によると,企業が移行ソリューションを導入することで,パソコン1台当り平均で250ドルの経費を節約できるという。

 PC Migration Work Groupは当初,移行ソリューションの知名度向上と利用拡大に取り組む。ユーザーの環境を容易に移行可能とするため,独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)向けのガイドラインを作成する計画である。将来的には,これを新しいコンピュータを設置するときの手順の一部として利用できるようにするという。

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