米国の調査会社Computer Industry Almanac(CIA)は米国時間3月11日に,世界で使用されているパソコンの台数に関する調査結果を発表した。それによると,2001年に全世界で使用されているパソコンは6億台を超えた。今後6年間に年平均11.4%で増加し,2007年にはこの数字が11億5000万台に達するという。
調査は世界6地域における51カ国を対象に実施した。
使用されているパソコン台数が最も多いのは米国で,2001年末時点で1億7500万台だった。しかし今後は,年平均6.2%の伸び率にとどまり,2007年のパソコン使用台数は2億5100万台になる見通しだ。米国では,パソコンの販売台数が毎年4000万台を超えることが予想されるが,買い替え率が70%以上を占めるため,使用台数の増加は毎年1300万台強になる。
その他の地域では,パソコンの買い替え率が米国のそれを下回る。このためアジア太平洋地域は年間のパソコン販売台数が米国には及ばないが,2002年末にはパソコンの使用台数が最も多い地域となる。CIA社は2007年にアジア太平洋地域で使用されるパソコンの台数が3億6700万台に達するとみる。また西欧におけるパソコン使用台数も2004年に,米国を追い抜く見通しだ。
携帯電話の加入者数がパソコンの使用台数を超えた時期は,アジア太平洋地域が1997年,西欧が1999年,世界市場では2000年である。米国はいまだにパソコンの使用台数が携帯電話の加入者数より多く,この傾向は2004年か2005年まで続く。
■パソコン使用台数の推移(単位:100万台) 1995 2000 2001 2007 全世界 229 530 603 1,150 家庭向けパソコンの割合(%) 35.2 43.5 45.1 52.3 米国 93.5 162 175 251 家庭向けパソコンの割合(%) 36.9 49.0 50.4 54.6 西欧 62.4 139 158 285 家庭向けパソコンの割合(%) 39.2 48.5 49.9 52.9 アジア太平洋地域 43.6 139 166 367 家庭向けパソコンの割合(%) 29.3 35.8 38.3 53.9 出典:CIA社
「米国では2010年を過ぎた時点で使用されるパソコンの台数が3億台強に達し,飽和状態になるだろう。しかしユーザーの大半が5年ごとにパソコンを買い替えるため,2010年以降も年間のパソコン販売台数は約6000万台を記録する」(CIA社,Egil Juliusse氏)。世界市場が飽和状態に達するのは2015年以降とみる。その時点で使用されているパソコンの台数は17億台に達するという。
◎関連記事
■「Q4の世界PC市場は前年比6.7%減,ただし下落傾向は緩やかに」と米IDC
■「Q3の西欧におけるPC出荷台数は前年同期比11%減」,と米データクエスト
■「米国家庭のIT化意欲が冷え込む,PC購入意欲は97年以来の最低水準」と米調査
■「家庭ネット・ユーザーは着実に増加,2001年Q4は全世界で約5億人」,米ニールセン
■「パソコンは今後10年間も進化を続ける」,ビル・ゲイツ氏が熱弁