米IDCが米国時間1月17日に,2001年第4四半期の世界パソコン市場に関する調査結果を発表した。出荷台数の合計は3420万台で,前年同期に比べ6.7%減少したという。「ホリデー・シーズン中の売上げは予想を上回った。しかし,全世界のパソコン市場は依然低迷が続いている」(IDC)
出荷台数は前期から16.9%増加したという。ちなみに前期は,前年同期比13.4%の減少を記録していた。2000年第4四半期に始まった市場の下落傾向は,2001年第4四半期になって緩やかになったという。
「1995年から2000年までの四半期ごとの平均成長率は19.8%で,2001年第4四半期の成長率はこれをわずかに下回っただけで済んだ」(IDC)
アジア太平洋地域(日本を除く)だけが,対前年で出荷台数を増やし続けているという。しかし,「パソコンがすでに普及した国々では成長が鈍化している。これに加え輸出市場が低迷しており,これらがこの地域の出荷状況に影響をおよぼしている」(IDC)。
日本市場については,「経済悪化の影響を受け,今後数四半期のあいだ2桁台の減少をみせるだろう」(IDC)と予測する。
欧州も下降気味で,企業分野での低調が続いている。最も活発だったのは小企業/消費者市場だった。これらの市場ではポータブルなシステムへの移行が続いている。
米国の出荷台数は前年同期から10.1%減少したが,予想よりはよい値となったという。一方前期比では6.1%増となった。これは主に家庭ユーザーの購入によってもたらされたという。
メーカー別でみた場合,米Dell Computerが連続してシェアを伸ばしている。米国と世界市場で出荷台数を伸ばした(前年同期比)のはDell社だけという。「直販ビジネス・モデルが競合他社にプレッシャーを与え続けている」(IDC)
米Compaq Computerは,米国よりも世界市場でよい結果となった。世界市場における出荷台数が前年同期比19.1%減だったのに対し,前期比では16.3%増加している。一方米国市場では,前年同期比24.7%減に対し,前期比は2.5%の増加にとどまった。
米IBMの出荷台数は,前年同期比で22.1%減少したが,前期比では5.0%増加した。
米Hewlett-Packard(HP)は,前期比35.5%増と前期の落ち込みから復活した。
米Gatewayは,国際市場の多くから撤退したことから,出荷台数の減少が続いている。米国市場でも,消費者分野での競合他社の影響を受けており,「低い結果にとどまった」(IDC)。特に,Dell社とHP社の影響が大きいという。
■表1 2001年第4四半期におけるトップ5メーカーの米国出荷台数 (速報値/単位:1000台) 順位 メーカー 01年Q4 01年Q4 00年Q4 00年Q4 前年同期比 出荷台数 シェア 出荷台数 シェア 1 Dell 3,037 27.5% 2,727 22.2% 11.4% 2 Compaq 1,402 12.7% 1,862 15.1% -24.7% 3 Hewlett-Packard 1,346 12.2% 1,554 12.6% -13.4% 4 Gateway 693 6.3% 1,077 8.8% -35.6% 5 IBM 575 5.2% 744 6.0% -22.7% その他 3,999 36.2% 4,332 35.2% -7.7% 合計 11,052 100.0% 12,297 100.0% -10.1% 出典:IDC(2002年1月)
■表2 2001年第4四半期におけるトップ5メーカーの世界出荷台数 (速報値/単位:1000台) 順位 メーカー 01年Q4 01年Q4 00年Q4 00年Q4 前年同期比 出荷台数 シェア 出荷台数 シェア 1 Dell 4,863 14.2% 4,286 11.7% 13.5% 2 Compaq 3,827 11.2% 4,729 12.9% -19.1% 3 Hewlett-Packard 2,722 8.0% 2,953 8.0% -7.8% 4 IBM 2,110 6.2% 2,709 7.4% -22.1% 5 Fujitsu Siemens 1,674 4.9% 1,781 4.9% -6.0% その他 19,036 55.6% 20,229 55.1% -5.9% 合計 34,232 100.0% 36,686 100.0% -6.7% 出典:IDC(2002年1月)
◎関連記事
■「Q3の西欧におけるPC出荷台数は前年同期比11%減」,と米データクエスト
■「2001年Q3の世界PC市場は出荷台数で前年比12%減」--米データクエストの調査
■「Q3の世界PC市場は前年比13.7%減,デルが一人勝ち,コンパックは激減」と米IDC
■「“XP"登場でも,消費者向けPCの世界市場は2桁に迫るマイナス成長」と米IDC
■「初のマイナス成長,Q2の西欧PC市場は出荷台数が4%減」と米データクエスト
■「Q2の世界PC市場は2980万台で前期比7.2%減,米デルが一人勝ちの様相」と米ID
■「Q2の世界PC市場,1986年以来初めてのマイナス成長」と米データクエスト
■「Q1における米国パソコン市場,21%以上がノーブランド品」,米IDCの調査
[発表資料へ]