米Palmの子会社である米Palm Solutions Group(Palm SG)と米BEA Systemsが,「Palm」ブランド・ハンドヘルド用の企業向けWebサービス開発を支援するため,長期間にわたる戦略的提携を結んだ。両社が米国時間8月27日に明らかにしたもの。

 Palm社は,モバイル対応Webサービスの開発と導入を支援するため,ツールとハンドヘルド側ソフトウエアを開発する。Palm社とBEA社は共同で,サーバー側の制御を行う「WebLogic Server 7.0」および「WebLogic Workshop」に,Palm社の開発したツールなどを統合する。「このモバイル対応Webサービスにより,Palmハンドヘルドでエンタープライズ・アプリケーションの利用が可能になる」(両社)

 同ソリューション開発では,Palm社の「Reliable Transport」技術を中核インフラとして使用する。同技術は,サーバーとPalmハンドヘルド間でXMLデータ転送を行う際に,堅牢/安全/使いやすいプラットフォームを提供するという。「このソリューションにより,Palmプラットフォーム関係の開発者は,サーバー・サイドのプログラミング・フレームワークとしてWebLogic Workshopを容易に利用できるようになる。同時にWebLogic Workshopの開発者は,Reliable Transportを使用して,Palmハンドヘルドとの間でメッセージを交換できる」(両社)

 Palm社にとってこの提携は,エンタープライズ・アプリケーション/データにかかわる開発を支援し,アクセスを簡素化しようという同社の戦略に沿うものである。

 一方BEA社にとっては,Palm社のようなモバイル/無線分野の戦略的パートナ企業に,モバイル・アプリケーションの開発/導入を支援する取り組みを行わせることになる。これは,「WebLogic Enterprise Platform」上で,Palmハンドヘルド機器にエンタプライズ・データおよびWebサービスを提供することにつながる。

 なお米メディアの報道(InfoWorld)によると,Palm社とBEA社はソフトウエアのベータ版を2002年後半にリリースし,一般向けには2003年第1四半期に提供する予定という。

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[発表資料(BEA社)]
[発表資料(Palm社)]