米IFSが米国時間7月2日に,米IBMと提携して次世代モバイル業務ソリューションを提供すると発表した。「使用する機器を問わず,“可能なときにオンラインになる”という新しい技術を利用する。常時オンライン/常時オフラインというものではない」(IFS社)

 これまでのモバイル・アプリケーションについてIFS社は次のように説明する。「第一世代にあたるモバイル・アプリケーション技術は,特定企業の技術に依存しており,固有の機器向けに開発されていた。第二世代になると,(標準的な)無線通信プロトコルとWWW技術を使用し,さまざまな機器で多くの機能を提供できるようになった。しかし,倉庫やオフィスといった限られた環境でしか使えないという問題があった」(IFS社研究開発担当社長のMichael Hallen氏)

 これに対し両社が提供するソリューションでは,ユーザーが移動中であっても,任意のモバイル機器を使ってどこからでもデータを取得できるという。「対応する機器は直ちに市場に登場するだろう」(同氏)

 この提携により,IFS社はデータ同期およびモバイル通信処理を行うサーバー・コンポーネント「IFS Mobile Engine」を開発する。IBM社は,メッセージング用インフラを提供するとともに,英国のウィンチェスターにあるIBM Solution Partner Centerの協力を得てクライアント・サイドの技術面を担当する。

 IBM社のクライアント・ソリューションは,同社のJava仮想マシン「J9」上でJava2 Platform, Micro Edition(J2ME)を動作させ,ストレージ用に「DB2 Everyplace」を,通信処理用に「MQ Everyplace」を使用する。また,IFS社のMobile EngineはWebサービス用のインタフェースを備えるので,ほかのアプリケーションにもオフラインや同期用の機能を拡大できるという。

 同ソリューションは2003年の第1四半期にリリースする予定。

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