米DisplaySearchが米国時間8月27日に,2002年第2四半期における10インチ以上の大型TFT LCD市場に関する調査結果を発表した。大型TFT LCDの出荷台数は前期比9.5%増の1760万台を記録し,事前の予測を2.7%(約47万台)上回った。また,売上高は前期比24%増の50億3000万ドルを記録した。

 用途別では,非パソコン向けモジュールの出荷台数の伸び率が最も高く,前期比25%増だった。LCDモニター用モジュールは10%増,ノート・パソコン用モジュールが8%増である。

 ASP(平均販売価格)は前期より13%上昇し,286ドルとなった。ノート・パソコン用モジュールの売上高は,2000年第3四半期以来最高の21億ドルを記録した。LCDモニター用モジュールの売上高は27億ドル,また非パソコン用モジュールは2億1200万ドルだった。

 2002年第2四半期は好調だったものの,第3四半期の売上高は,大量の在庫のために鈍化する見込みだ。第2四半期にノート・パソコン向けLCDの出荷台数は増加したが,ノート・パソコン自体の出荷台数は予測を7%下回り,3%減のマイナス成長となっている。また,LCDモニターの出荷台数も前期比7%増という予測に届かない見通しだ。そのためOEMは第2四半期に調達したLCDパネルの在庫を大量に抱えている。また,6月から出荷台数が鈍化したため,LCDパネルのサプライヤにも相当量の在庫がある。

 こうした状況により,DisplaySearch社は,2002年第3四半期における大型LCDの出荷台数を前期比7.8%減,前年同期比では40%増の1620万台になると予測する。ノート・パソコン向けモジュールの出荷台数は減少率が最も大きく12.5%減の見込み。LCDモニター用モジュールは5%減,非パソコン用モジュールが7%減となる。出荷台数減少に加えASPが2%低下するため,売上高は出荷台数よりも急激な下降線を描き,10%減の45億5000万ドルに下がる。

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