米DisplaySearchが米国時間5月29日に,世界フラット・パネル・ディスプレイ(FPD)市場の見通しについて上方修正を発表した。同社は2002年3月時点で,TFT LCDの生産量を2002年に36%増,2003年に32%増と予測していたが,これを2002年に39%増,2003年に42%増へ上方修正した。

 TFT LCDメーカーは,ひとつの製品に注力することでマスク交換の時間や作業工程を削減したり,装置をアップグレードするなどして,生産能力の向上に努めている。ノート・パソコンや LCDモニターに対する需要向上に応えるため,ディスプレイ・メーカーが生産量を引き上げており,大型TFT LCDの出荷台数はこれまでの予測より急速に伸びる見込みだ。

 2002年における10インチ以上の大型TFT LCDの出荷台数は,前年比55%増の7020万台。売上高は前年比79%増の203億ドルに達する見通し。TFT LCD全体の売上高は,前年比47%増の323億ドルにのぼるとみる。3月時点の予測より7%(22億ドル)高い数字である。

 しかしDisplaySearc社は,生産量増加により深刻な供給過剰が起こる可能性も指摘している。

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