米DisplaySearchが米国時間6月11日に,2001年第1四半期における大型(10.4インチ以上)TFT液晶市場に関する調査結果を発表した。ノート・パソコン,液晶モニター,液晶テレビ,工業向けおよびインターネット機器向け大型TFT液晶の出荷台数は過去最高の863万台で,前期比3%増(前年同期比36%増)である。

 しかし大幅な出荷台数の伸び率にも関わらず,大型TFT液晶の売上高は前年同期比17%減の28億ドルとなった。平均販売価格が前期比17%減(前年同期比39%減)の325ドルに低下したためである。

 2001年第2四半期における大型TFT液晶の売上高は,前期比8%(前年同期比30%減)の26億ドルに落ち込むと予測する。平均販売価格は同23%減(同50%減)の251ドルとなり,過去最低となる。2001年第3四半期には価格が安定し,売上高は前期と比べて9.5%増の28億3000万ドルに回復する。

 2001年通年でみた場合,大型TFT液晶の売上高は,前年比18%減の115億ドルになる見通し。大型分野における売上高が落ち込みをみせていることから,中小型に注力するメーカが増えている。

 大型TFT液晶の収益悪化の原因となっているのは,ノート・パソコン向けである。携帯性の必要からサイズに制約があり,また出荷台数の増加が補いきれないほどの速さで価格が低下しているので,売上高が急激に落ち込んでいる。

 2001年第1四半期におけるノート・パソコン向け大型TFT液晶モジュールの売上高は前年同期と比べて32%減少し,平均販売価格は前期比21%減(前年同期比43%減)で281ドルとなった。2001年第2四半期の売上高は前年同期と比べて45%減少し,平均販売価格は前期比25%減(前年同期比54%減)で210ドルとなる見込み。2001年通年では,出荷台数が前年比25%増の2710万台に達するものの,売上高は同36%減の59億ドルになると予測している。

 2001年第1四半期の液晶モニター用モジュール市場は,前期比16%増(前年同期比89%増)の約260万台にのぼり,過去最高を記録した。売上高は同1%減(同12%増)の10億7000万ドルとなった。2001年通年では,順調な出荷台数の増加,大型モニターの普及,下半期における販売価格の安定などが幸いし,売上高は前年比11%増の47億5000万ドルになる見通し。

■大型(10.4インチ以上)TFT LCD市場におけるサプライヤのシェア(OEMベース)

'00/Q4
順位
'01/Q1
順位
サプライヤ '00/Q4
シェア
'01/Q1
シェア
前期比
成長率
前年同期比
成長率
1 1 韓国Samsung 21.3% 21.2% 2.2% 34.3%
2 2 韓国LG.Philips 12.9% 15.1% 20.4% 40.0%
3 3 日立製作所 9.9% 9.4% -3.2% 28.5%
4 4 台湾AU Optronics 6.5% 7.6% 20.1% 256.8%
5 5 シャープ 6.4% 7.3% 16.4% 11.0%
6 6 東芝 6.0% 5.7% -1.7% 16.4%
7 7 NEC 5.9% 5.5% -4.5% -1.3%
9 8 米IBM 4.4% 4.6% 6.9% 35.5%
8 9 台湾Chi Mei 5.2% 4.6% -9.7% 1120.4%
10 10 鳥取三洋電機 4.3% 4.0% -5.8% -17.9%
  その他 17.1% 15.1% -9.5% 27.0%
合計 100.0% 100.0% 2.7% 36.0%

出典:DisplaySearch社

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