米DisplaySearchが米国時間9月10日に,TFT市場に関する調査結果を発表した。ノート・パソコンの需要の伸び悩みと,2000年および2001年の過剰な設備投資による生産能力の向上により,2002年第4四半期までTFTの価格上昇は見込めないという。

 2001年におけるTFTの価格は,パネル・サイズによっては50~60%下落している。大型TFTの価格は2002年終わり頃まで横ばいとなる。このため2002年におけるメーカーの収益性は悪化するが,価格に敏感なLCDモニターやLCDテレビ市場向けの出荷枚数は上向きになる見通しだ。

 「2002年は多くのメーカーが設備投資を躊躇する。TFT関連の設備投資額は,2001年に22%低下して50億ドルとなる。2002年にはさらに3%減の49億ドル。2003年には販売価格が緩やかに上昇する。設備投資額は22%増になるだろう」(DisplaySearch社社長のRoss Young氏)。

その他の主な調査結果は以下の通り。

・2001年第2四半期におけるTFTの過剰在庫率は16%。第3四半期と第4四半期には13%まで低下する見通し。

・TFTに関する設備投資は,LTPS(低温ポリシリコン)TFT分野が増加傾向にある。2000年の6%増だった。2001年は24%増,2002年は61%増,2003年は35%増になる見通し。この設備投資の増加により,2001年第2四半期から2003年第2四半期にかけて,12.1インチ換算での低温ポリシリコンTFT生産枚数は500%以上伸び,200万枚を超える。これはTFT生産枚数の約6.5%に相当する。

・地域別でみると,2001年はシャープ,ソニーと豊田自動織機製作所の合弁企業であるエスティ・エルシーディ,鳥取三洋電機などが牽引役となり,日本が設備投資のシェア50%を占める。2002年は台湾が41%で首位に立ち,日本は24%。2003年には,日本が再び37%で1位に返り咲き,台湾が34%,韓国が19%で続く。

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