米DisplaySearchが米国時間11月20日に,「液晶モニターとTFT液晶,コントローラICの市場が予想以上の成長をみせた」などとする調査結果を発表した。2000年4月から2001年9月にかけてパネル価格が大幅に下落し,これにより新たな基準価格が設定されたことが要因という。

 需要の劇的な増加がTFT液晶製造工場の稼働時間増大をもたらしており,これにより2001年第4四半期から2002年末にかけてはパネル価格が上昇する,と同社は予測する。そのため,「液晶モニターの小売価格も上昇する。購入を検討しているなのならば今すぐ買うべき」(同社)と指摘する。

 DisplaySearch社による報告の主な内容は次の通り。

【TFT液晶モジュール】
・2001年第3四半期の出荷個数は521万個,前期に比べ43%増加した。
・2001年第4四半期の662万個で,前期比27%増となる。
・2001年通年では,1800万個に達する。
・2001年第4四半期の出荷個数をもとに2002年の状況を予測すると,2002年通年では2600万個を超える。ただし,2002年第3四半期と第4四半期の出荷個数は2001年第4四半期を上回り,最終的に2002年の出荷個数は2700万個から3000万個に達する。
・しかし,価格上昇と供給個数の制約により伸び率は低下する。

【液晶モニター】
・価格が499ドルでも需要は十分であったが,299ドルから399ドルの価格帯がもっとも良い反応を得るようになった。
・2001年第3四半期の出荷台数は420万台となる。
・2001年第4四半期は600万台に達する見込み。
・2001年通年の出荷台数は,少なくとも1550万台に達する見込み。
・2001年第4四半期の出荷台数をもとに2002年の状況を予測すると,2002年通年では2400万台に達する。ただし価格が妥当な水準のまま推移する場合は,2002年第3四半期と第4四半期の出荷台数は2001年第4四半期の値を上回り,2002年の出荷台数は2500万台から2800万台に達する。

【コントローラICの出荷状況】
・2001年第3四半期の出荷個数に関する集計は完了していないが,速報値をもとにすると572万5000個となり前期に比べ59%増加する。
・2001年第4四半期はさらに30%増加し,742万個に達する。

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