米DisplaySearchが米国時間9月27日に,世界の液晶モニター市場に関する調査結果を発表した。2001年第2四半期の全世界における出荷台数は前期比23%増,前年同期比131%増の290万台を記録し,事前の予測を3%上回った。

 DisplaySearch社の行った調査結果と予測の主な内容は次の通り。

【液晶モニターの普及】
 デスクトップ用モニター全体における液晶モニターの割合は,台数ベースで12.4%,売り上げ高ベースで29.3%と過去最高を記録した。液晶モニターの売上高は前期比3%増,前年同期比56%増の24億ドルに達した。

【予想を上回る液晶モニターの出荷】
 北米およびその他の地域で15インチ,15.4インチ~16インチ,17インチのサイズが予想を上回る成長をみせた。液晶モニターの出荷が大きく伸びたのに対し,CRTモニターの出荷は前期比13%減,前年同期比11%減で2010万台となった。売上高は前期比15%減,前年同期比11%減で56億ドル。

【液晶モニターの平均価格低下とシェア/売上げの伸び】
 2001年第2四半期に液晶モニターの平均価格が前期と比べて16%低下したことが,出荷台数の23%増につながった。2001年第3四半期の平均価格は前期比20%低下すると予想され,出荷台数は前期比39%増,前年同期比134%増の400万台に達する見込み。これはデスクトップ用モニター全体の15.4%を占める。売上高は前期比12%増,前年同期比36%増の27億ドルにのぼり,デスクトップ用モニター全体の30.1%を占めると予測する。

 2001年通年では液晶モニターの出荷台数は129%増の1400万台に達し,シェアは13.5%になる。さらに2002年も価格低下は続き,61%増加して2250万台になると予測する。

【地域による液晶モニター需要の格差】
 液晶モニターの世界市場における日本のシェアは,2001年第1四半期の44%から同第3四半期には23%に低下する。一方,北米のシェアは同期間に20%から30%に増加し,その他の地域では6%から14%と2倍以上拡大する。2001年第2四半期における日本の出荷台数は横這いだった。日本経済の悪化と液晶モニターがすでに50%以上普及して頭打ちになっているという状況から,2001年第3四半期の出荷台数は前期と比べて10%減少する。

 一方,欧州,北米,その他の地域では液晶モニターの普及率が低く,価格低下が追い風となって2001年第3四半期の出荷台数は前期と比べて57%以上増加する。その結果2001年第3四半期に,欧州と北米が日本を上回る。

■液晶モニター・メーカーの順位とシェア(2000年Q4~2001年Q2)

メーカー 2000年
Q4順位
2001年
Q1順位
2001年
Q2順位
2000年
Q4シェア
2001年
Q1シェア
2001年
Q2シェア
NEC三菱電機 2 3 1 8.5% 8.0% 8.6%
富士通 1 1 2 8.6% 10.4% 7.2%
Samsung 4 5 3 7.7% 6.8% 7.0%
Dell 8 4 4 5.9% 7.3% 6.7%
ソニー 5 6 5 6.9% 6.0% 6.4%
NEC PC 3 2 6 7.9% 8.0% 5.8%
IBM 6 8 7 6.3% 4.2% 3.6%
Viewsonic 11 12 8 3.2% 3.3% 3.6%
Philips 7 9 9 5.9% 3.9% 3.3%
Acer 12 10 10 2.9% 3.7% 3.2%
その他 36.2% 38.4% 44.6%      

出典: DisplaySearch社

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