「2002年Q1の小／中型LCDの出荷台数は2％増，デジカメ向けがけん引」，と米ディスプレイサーチ

早坂利之

2002.06.08

　米DisplaySearchが米国時間6月6日に，2002年第1四半期における小型／中型液晶ディスプレイ（LCD）市場に関する調査結果を発表した。それによると，携帯電話機／PDA／車載用モニター／ビデオ・カメラ／デジタル・カメラ向けを合わせたLCDの出荷台数は，前年同期に比べ2％増加したという。「これはデジタル・カメラ向けがけん引した結果で，同分野は前年同期比21％増だった」（DisplaySearch社）

　出荷台数が増加したにも関わらず，売上高は前年同期比15％減となった。PDAを除くすべての分野で平均販売価格の低下率が2けたを記録した。

　今後2四半期の出荷台数はすべての分野で伸び率が2けたとなり，2002年第2四半期と第3四半期における前期比増加率はそれぞれ30％と16.5％の見込み。第2四半期の売上高は前年同期比20％増，前期比15％増となる。第3四半期も前期と比べて15％成長する。「この増加は，PDAと携帯電話機市場の回復が主な要因」（同社）という。

　平均販売価格は，第2四半期に前年同期比8％減，第3四半期に同1％減少する見通しだ。「（価格の減少幅が小さいのは）PDAのLCD技術と画面サイズの変化の影響で，PDAの平均販売価格が上昇を続けているため」（同社）

■2002年第1四半期における小型／中型LCDの出荷台数，
売上高と製品の平均販売価格（対前年同期比）

適用製品           出荷台数の         売上高の         製品価格の
                      変化              変化              変化
                                                     
携帯電話機             3％             -14％             -16％
PDA                  -31％             -13％              25％
車載用モニター        -2％             -25％             -23％
ビデオ・カメラ         3％             -20％             -22％
デジタル・カメラ      21％              -5％             -22％
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合計                   2％             -15％             -16％
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出典：DisplaySearch社

　そのほかの主な調査結果は以下の通り。

【カラー・ディスプレイ】
・携帯電話機とPDA分野の拡大の影響で，第1四半期の出荷台数は2330万台となった。これは前年同期比8％，前期比10％の増加である。売上高は7億1200万ドルで，前期比3％増だが，前年同期と比べると14％減少した。

・ますます多くの携帯電話機とPDAがカラー・ディスプレイを採用することにより，今後カラー・ディスプレイ市場は成長すると予測している。それによると，第2四半期の出荷台数は3350万台で，前期比44％増，前年同期比54％増。さらに，第3四半期には4110万台になり，前期比23％増，前年同期比78％増と見込む。

【LCDの技術別の比較】
・第1四半期におけるアクティブ・マトリクスLCDの出荷台数は1640万台で，前年同期比47％増，前期比11％増。今後は，第2四半期に前期比46％増加，第3四半期に同11％増加する。

・カラーSTN LCDの出荷台数は690万台で，前年同期比33％減，前期比7％増。今後は携帯電話機／PDA市場での利用が増加するため，第2四半期と第3四半期には40％以上の伸びが期待できる。

・有機LEDは，第2四半期に携帯電話機分野での再登場を果たし，第3四半期には出荷台数が急増する。