米GartnerのDataquestが米国時間5月22日に,携帯電話機の世界市場について調査した結果を発表した。それによると,2002年第1四半期における携帯電話機の販売台数は9380万台で,前年同期と比べて3.8%減少した。

 メーカー首位であるフィンランドのNokiaは,前年同期より販売台数が減少したが,市場シェアをわずかながら拡大することができた。米Motorolaは中国での優勢と世界CDMA市場での強みを維持し,着実に市場シェアを伸ばした。韓国のSamsungとドイツのSiemensは大幅な伸びをみせ,販売台数がそれぞれ48.6%,24.1%増加した。

■2002年第1四半期におけるエンドユーザー向け携帯電話機の世界販売台数(速報値)
(単位:1000台)

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              2002年Q1      2002年Q1     2001年Q1    2001年Q1
メーカー      販売台数     市場シェア    販売台数   市場シェア  伸び率
                             (%)                  (%)     (%)
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Nokia          32,531        34.7        33,506       34.4      -2.9
Motorola       14,533        15.5        13,225       13.6       9.9
Samsung         9,030         9.6         6,076        6.2      48.6
Siemens         8,229         8.8         6,633        6.8      24.1
Sony Ericsson   6,009         6.4          N/A         N/A      N/A
その他         23,424        25.0        37,987       39.0     -38.3
合計           93,755       100.0        97,427      100.0      -3.8
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出典:Dataquest社

 西欧と中南米では,2年連続して第1四半期の販売台数が前年同期と比べて減少した。日本を除くアジア太平洋地域は予想よりも好調で,前年同期から8%増加し,前期比では12%以上増加した。「西欧は飽和状態にあり,新たな市場成長の糸口を見出すことが課題だ。携帯電話加入者は,適切なアプリケーションが揃わないままデータ対応携帯電話機を購入するつもりはない」(Dataquest社上級アナリストのBen Wood氏)

 2002年第1四半期の販売台数は前年同期より減少したが,チャネル向け出荷台数は前年同期比11.8%増の9030万台に達した。

 「ロシアのほか,アジア,東欧,中東などの新たな市場では,2002年第1四半期に携帯電話加入者が予想以上に増加した。そのため,チャネル向け出荷台数が事前の予測レベルに達した」(Dataquest社Mobile Communications Worldwide調査部ループ上級アナリストのBryan Prohm氏)

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