米DisplaySearchが米国時間8月6日に,2001年第2四半期の中小型LCD市場に関する調査結果を発表した。携帯電話機,PDA,ハンドヘルドPC,カーナビ/車載テレビ,ディジタル・カメラ,ビデオ・カメラの六つの分野別にデータを分析したもの。それによると,6分野を合わせた売上高は12億1000万ドルで前期比15%減少。2四半期連続で売上高が落ち込んだ。

 出荷台数は1億80万台で同4%減,平均販売価格(ASP)は12ドルで同11%低下した。しかし2001年第3四半期には売上高が再び増加するとみる。出荷台数は前期比9%増加,平均販売価格は同7%上昇する見込みである。PDAと携帯電話機で,価格の高いカラー・ディスプレイが普及することによって平均価格の上昇が期待できるという。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・種類別でみた売上高は,モノクロSTN液晶が13%減,カラーSTN液晶が35%減少した。アクティブ・マトリクス・ディスプレイ(AM液晶)は横ばい。カラーSTN液晶は携帯電話機とPDAの両分野で,AM液晶にシェアを大きく奪われつつある。

・平均小売価格は,カラーSTN液晶が15%低下,モノクロSTN液晶は10%減,AM液晶は8%減となった。

・PDAおよびスマートフォン向け出荷台数は38%減の257万台で,売上高は28%減の9300万ドルとなった。パッシブ・マトリクス・ディスプレイの需要が予想ほど伸びず,チャンネル在庫が増加したことが要因とみる。

 モノクロ・ディスプレイの出荷台数は52%減,カラーSTN液晶は62%も減少した。一方AM液晶の出荷台数は4%増だった。この結果,PDA分野でカラー・ディスプレイが占める割合は,2001年第1四半期の31%から,第2四半期は47%に増加。また,AM液晶が占める割合は同26%から同44%に拡大した。

・携帯電話機向けの出荷台数は3%減の9000万台で,売上高は18%減の8億1100万ドル。パネル・ディスプレイのメーカー別では,セイコーエプソンが市場シェア30%で首位を獲得。オランダのRoyal Philips Electronicsは同21%で2位,韓国のSamsung SDIが同16%で3位となった。

 携帯電話機向け液晶の調達台数ベースでみたブランドの1位はフィンランドのNokiaで,シェアは37.1%。米Motorolaがシェア13.3%,ドイツのSiemensが同7.3%,スウェーデンのEriccsonが同6.5%,Samsung社が同5.2%と続いている。なお,セイコーエプソンはNokia社が調達するディスプレイの60%以上を供給している。

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