米DisplaySearchが米国時間3月6日に,2000年第4四半期のノート・パソコン向けLCDディスプレイ市場に関する調査結果を発表した。

 2000年第4四半期にノート・パソコン市場が低迷したものの,大型および高解像度のディスプレイを搭載したノート・パソコンの需要は引き続き堅調だという。

 パネル・メーカーの出荷ベースでみると,2000年第4四半期におけるノート・パソコン向けディスプレイの販売台数は第3四半期と比べて7.9%減。売上高は,経済の鈍化と供給過多が要因となり第3四半期の21億ドルから16%以上も大幅に減少した。1999年第2四半期以来,最大の落ち込みを記録した。

 サイズ別でみた場合,10.4インチ,11.3インチ,12.1インチ,13.3インチはすべてシェアを減らした。しかし,14.1インチと15.0インチのLCDはシェアを拡大しただけでなく出荷台数も増えた。14.1インチの出荷台数は300万台以上で前期比6.8%増。15.0インチ以上のLCDは同3.2%増で45万台を上回った。2000年通年では14.1インチの出荷台数が54%増,15.0インチが72%増となった。その他のサイズはすべて減少した。

 解像度別では,高解像度パネルが急速な成長をみせた。SVGA(800x600画素)の市場シェアは,1999年第4四半期の35.0%から2000年第4四半期に18.8%まで縮小。一方,XGA(1024x768画素)は同63.3%から同76.7%に,SXGA(1400x1050画素)以上は同1.2%から3.6%に拡大した。なお,2000年第3四半期に市場に登場したUXGA(1600x1200画素)の第4四半期における市場シェアはほぼ1%だった。

 SVGAの出荷台数は前期と比べて36%減少。XGAは1%増,SXGA以上は26%増,UXGAは180%増加した。

 高解像度LCDと大型LCDが成長している要因の一つとして,TFT LCDの価格低下が挙げられる。2000年第4四半期におけるノート・パソコン向けTFT LCDの平均販売価格は348ドル。第1四半期の平均販売価格は463ドルだった。ノート・パソコン向けディスプレイ市場におけるTFT LCDの普及率は第4四半期に96.4%まで拡大した。

◎関連記事
2000年の大型TFT LCD市場,シャープが3位から4位に,日立が代わって3位
「2005年にデスクトップPCの22%が液晶モニタに」と米DisplaySearchの調査
2000年Q2のノートPC向けTFT LCD市場,出荷台数574万台で34%増
紙のように薄くて軽い“電子ぺーパー”,米ゼロックスも発表
紙のように軽くて薄いディスプレイ“電子ペーパー”を米ルーセントなどが披露
DisplaySearchがFPD向けIC市場を予測,2000年から2005年で3倍に

[発表資料へ]