米Stanford Resources-iSuppliが米国時間10月24日に,カムコーダ(カメラ一体型VTR)やデジタル・カメラ,背面投射型テレビなどに利用されるマイクロディスプレイの市場に関する調査結果を明らかにした。市場規模は2001年の6億6800万ドルから2007年には19億ドルに拡大するという。この間の年平均成長率は19%で,2007年の出荷台数は4400万台を上まわる。

 「出荷台数を牽引するのは,画像をのぞき込むnear-eye型アプリケーションだが,売上高のほとんどはプロジェクション型アプリケーションによって生み出される。2007年における売上高の74%をプロジェクション型が占め,一方で出荷台数の72%をnear-eye型が占めるとみる」(Stanford Resources-iSuppli社Technology and Strategic Research部門ディレクタのKimberly Allen氏)。

 技術別でみた場合,「液晶が2001年の市場で占める割合は出荷台数ベースで89%,売上高ベースで76%だが,2007年にはこれが同59%と同52%に減少する。マイクロマシン(MEMS:microelectromechanical systems)やLCOS(liquid crystal on silicon)などが急速に成長するためである」(同氏)。

 LCOSマイクロディスプレイの出荷台数は,2001年にMEMSのそれを上まわり,技術別の2位につけた。LCOSはプロジェクション型よりもnear-eye型での利用が進み,2007年にはnear-eye型の売上高の41%を占めるようになる。一方,プロジェクション型でのシェアは8%程度となる。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・カムコーダおよびカメラ・ビューファインダ分野:2007年には,LCOSマイクロディスプレイが両分野を合わせた売上高の40%を占める。

・背面投射型テレビ分野:背面投射型テレビ向けMEMSチップがシェアを拡大し,2007年には出荷台数の52%,売上高の74%を占める。一方LCOSのシェアは同28%と同18%。

・ヘッドマウント・ディスプレイ分野:軍事用や工業用,医療用のヘッドマウント・ディスプレイが急速に成長し,売上高は2001年の180万ドルから2007年には4300万ドルに増加する。

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