シャープの米国子会社Sharp Electronicsは一般消費者向け無線データ・サービス「Sharp Mobile Services」を開始すると米国時間8月22日,発表した。同社のPDA「Zaurus SL-5500」用のサービスで,米Verizon WirelessのCellular Digital Packet Data(CDPD)ネットワーク上で提供する。使用するシステムは,Sharp Electronics社と米Aether Systemsが共同で開発した。

 サービスは同日より利用可能で,Sharp Electronics社のWebサイトで申し込める。

 同サービスでは,POP3,IMAP4によるメール送受信,メール添付ファイルの閲覧,Webページ閲覧が可能。対応する添付ファイルには,Word/Excel/PowerPointなどがある。Webページ閲覧は,無線用の最適化と,Aether社の無線アプリケーション向けプラットフォーム「Aether Fusion」によるデータ圧縮を施しているため,既存のデータ・ネットワークよりも高速で効率がよいという。

 Sharp Electronics社が使用するCDPDネットワークは,アナログ式携帯電話網を使ってパケット交換を行うことでデジタル無線データ通信を提供するサービス。CDPDを採用したのは「(CDPDが)米国の主要地域をサービス・エリアにしている」(Sharp Electronics社)からだという。

 CDPD用モデムには,米Enforaの「PocketSpider2」を使用する。コンパクト・フラッシュ(CF)タイプのモデムで,従来製品より無線性能が向上し,消費電力が小さくなったという。同モデムはSharp Electronics社のWebサイトで購入できる。

 Zaurus SL-5500は,反射型カラー液晶画面と,引き出し式のQWERTYキーボードを備えるPDA。動作周波数206MHzの「StrongARM SA-1110」プロセサを採用し,64Mバイトの標準内蔵メモリー,CFとセキュア・デジタル(SD)の二つの拡張スロットを持つ。MP3音声およびMPEG-1動画の再生が可能。

 同社は消費者向けのサービスのほか,企業向けサービスの提供も予定する。「安全/リアルタイム/ファイアウォール越しに無線通信を行い,メール送受信,添付ファイル管理,最適化したWebページ閲覧,無線PIM機能を提供する」(同社)。さらに,CRMやERPアプリケーションなど,カスタム化したアプリケーションにもアクセス可能という。

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