シャープの米国法人が「Zaurus SL-5500」を発売，企業向けサービスの試験運用を開始

早坂利之

2002.04.04

　シャープの米国子会社Sharp Electronicsが，同社のPDA「Zaurus SL-5500 Personal Mobile Tool」の販売を全米の家電用品／事務機器販売店で開始した。同社が米国時間4月2日に明らかにしたもの。

　Zaurus SL-5500は，動作周波数206MHzの「StrongARM SA-1110」プロセサを採用し，標準で64Mバイトの内蔵メモリーを備える。MP3音声およびMPEG-1動画の再生が可能で，音声録音もできる。カラー画面と引き出し式のQWERTYキーボードを備え，デジタル・カメラなどの周辺機器を追加することも可能。文字入力には，手書き文字認識とオンスクリーン・キーボードを利用できる。

　アプリケーションとしては，住所録，スケジュール帳，電卓，テキスト・エディタ，To Doリストのほか，ワープロ／表計算／プレゼンテーション・ソフトウエア・パッケージの「Hancom Office Suite」を付属する。さらに米Microsoftの「MSWord」「MSExcel」ファイルの表示が可能なので，「受信したメールの添付ファイルを完璧に処理できる」（Sharp Electronics社）という。さらにMicrosoft社の「Outlook」に対応したパソコン用同期ソフトウエアを用意しており，Zaurus上の情報を最新状態に維持することも簡単という。

　また同社は4月に，企業向けサービス「Sharp Mobile Services」の試験運用を開始する。これは，電話による注文，調達，ネットワーク・サービス，課金，顧客サービス／サポートを提供するエンドツーエンドの無線ソリューションであるという。

　「企業顧客は，オープン・ソースのLinuxとJavaベース・プラットフォームによるメリットも得られる」（同社）。このプラットフォームにはノルウェーTrolltech ASのGUI「Qt Embedded」を付属し，既存の企業アプリケーションをシームレスに統合できるという。

　Zaurus SL-5500の価格は499ドル。詳細は，Sharp Electronics社のWWWサイトに掲載している。