米GartnerのDataquestは米国時間2月13日に「2001年における世界のPDA(携帯情報端末)市場は,出荷台数ベースで前年比18%増の1310万台に達した」などとする調査結果を発表した。
2001年第4四半期における世界のPDA出荷台数は,第3四半期と比べ58%増加した。しかし前年同期比では2%減となった。
「景気の後退と,前期の市場が弱含みだったことを考慮すると,PDA業界は健闘したといえる。とりわけホリデー・シーズンに消費者を引きつけたことが,販売増に貢献した。米Palmと米Handspringが,旧モデルの在庫をさばくために積極的な値下げを行ったため,平均販売価格が165ドルまで下がった」(Dataquest社 Computing Platforms Worldwideグループ主任アナリストのTodd Kort氏)。
出荷台数でみた場合,Palm社が2位のHandspringを約3倍上回る台数で業界をリード。しかし同社の2001年市場シェアは,前年と比べて11.8ポイント縮小した。
■表1 2001年における世界PDA市場の出荷台数(推定値) (単位:1000台) 2001年 2001年 2000年 2000年 成長率 出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア (%) メーカー (%) (%) Palm 5,056 38.6 5,588 50.4 -9.5 Handspring 1,648 12.6 1,369 12.4 20.4 Compaq 1,283 9.8 466 4.2 175.4 Hewlett-Packard 711 5.4 442 4.0 60.9 カシオ 529 4.0 440 4.0 20.4 その他 3,884 29.6 2,777 25.1 39.9 合計 13,111 100.0 11,083 100.0 18.3 注)市場シェアの数値は少数点第1位まで。 出典:Dataquest社(2002年2月)
上位5ベンダーのうち,米Compaq Computerと米Hewlett-Packard(HP)が世界市場,米国市場ともに強い伸び率を示した。Dataquest社によると,PDA市場はPalm社と米Microsoftの製品に2分されているが,それぞれが強みを発揮する市場区分は異なるという。400ドルを境に,両社の製品価格帯が異なっており,予算が400ドル未満のユーザーはPalm OS搭載機を,400ドル以上のユーザーはWindows CE搭載機を選ぶ傾向がある。
Palm OS搭載機の2001年における出荷台数は約750万台で,世界PDA市場の57%以上を占めた。Windows CE搭載機が世界市場で占める割合は約21%で,2000年の11%からシェアを拡大した。
■表2 2001年における米国PDA市場の出荷台数(推定値)
(単位:1000台)2001年 2001年 2000年 2000年 成長率
出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア (%)
メーカー (%) (%)Palm 3,068 47.1 3,523 58.7 -12.9
Handspring 1,281 19.7 1,207 20.1 6.1
Compaq 568 8.7 249 4.2 127.7
RIM 430 6.6 395 6.6 8.9
Hewlett-Packard 383 5.9 207 3.5 85.1
その他 785 12.0 418 7.0 87.8
合計 6,515 100.0 5,999 100.0 8.6出典:Dataquest社(2002年2月)
2001年の世界PDA市場を地域別でみた場合,米国市場が全体の約半分を占めた。アジア太平洋地域が17.4%,西欧が16.5%だった。また日本は,世界市場の約8%を占めた。
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