「今日の電気通信業界における問題が引き金となり,無線情報サービスの爆発的な成長と分散型ソフトウエア・アプリケーションの成長を促すことになる」――米Kinetic Information が米国時間7月29日に発表した。

 同社の調査結果によれば,電気通信事業者は,同業界で唯一収益を上げられる分野として残った無線技術に取り掛かるようになるという。それを受け,ソフトウエア・ベンダーはそのインフラを利用してハンドヘルド・デバイスにソリューションを提供するようになると予測しており,2005年の世界市場において,無線データ・サービスは120億ドル,無線対応の相互運用ソフトウエアで15億ドル規模に成長すると予測している。

 電気通信サービスのプロバイダは,新しい無線サービスを展開し,改良されたモバイル・コンピューティングのサポートに対応するようになる。これは他に選択肢がないからだと同社は分析する。

 「通信事業者は財政的にも政治的にも困難な状況にあったため,顧客と金融界に向けて上向きの可能性を見せることを切望している。無線コンピューティングは,新しく,付加価値を持つもので収益を生む可能性が高いため,もっとも有力な短期的な賭けとなっている」(同社のSteve Weissman社長)。また,同社は,将来的な可能性として帯域幅のコストの低下と公共無線LANの展開にも言及している。

 同社は,ソフトウエア・ベンダが新しい無線機能を利用して,PDAと携帯電話をWebアクセス・デバイスとしての活用普及を促進させると考えている。

 「電気通信事業者とソフトウエア企業は,顧客企業内外の両方で相互接続性を持ち,ネットワークとデバイス機能をインテリジェントに使用するように協力しなければならないし,実際にそうなるだろう」(同氏)

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