米VeriSignが米国時間7月25日に,2002年第2四半期の決算を発表した。売上高は3億1700万ドルで,前年同期の売上高2億3100万ドルに比べて増収となった。なお,当期の売上高には同社が2002年2月に買収したH.O. Systems社の業績が含まれる。一時的な費用を除いた純利益は5000万ドル(希薄化後の1株当り利益は21セント),前年同期の一時的な費用を除いた純利益は5300万ドル(希薄化後の1株あたりは25セント)だった。

 GAAP(会計原則)ベースの純損失は48億ドル。これには,過去3年間の株式交換による買収関連の非現金費用約46億ドルが含まれる。またVeriSign社は,4月にリストラ計画を発表しており,人員解雇,リースおよび契約の中止,特定の資産や設備の評価損などの経費6800万ドルを当期に計上している。

 「IT支出を取り巻く環境が非常に厳しいなかで,当社は業務実績の改善,支出引き締め,信頼性のある取引/通信を実現する新サービスの開始業務に注力している」(VeriSign社会長兼CEOのStratton Sclavos氏)

 経済状況が当期のアフィリエートおよびコンサルティング事業に直接影響を及ぼしたが,同社の中核である認証および電気通信サービス事業は控えめながら成長したという。

 「リストラの効果が完全に現れるのは2002年後半になってからだが,当期は支出の管理と社内の資産整理で大きな進展があった」(VeriSign社CFOのDana Evan氏)

 Enterprise and Service Provider Division部門の当期における売上高は2億1400万ドルで,総売上高の約67%を創出した。当期の新規ドメイン登録件数は270万件で,当期終了時点の有効なドメイン数は2730万件に達した。同社が管理しているDNSインフラでは,現在1日当り75億件のルックアップを処理している。前期は1日当り65億件だった。

 Mass Market Division部門の当期における売上高は1億300万ドルで総売上高の33%を占めた。当期に変更/更新したドメイン名は66万件あり,新規登録ドメインは55万件だった。当期終了時点で,同部門の管理下にある有効なドメイン数は1030万件。「.com」「.net」「.org」ドメインが960万件を占め,ユニーク・カスタマ数は500万を超える。

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