米VeriSignは米国時間6月3日,アトランタで開催中のSUPERCOMM 2002で,通信事業者向けの総合サービスについて明らかにした。「通信事業者のインターネット/電話ネットワーク・インフラを,次世代のデータ/音声サービスに進める“橋渡し”となる」(VeriSign社)という。

 VeriSign社はこのサービスを,同社の新部門「Telecommunications Services Group」を通じて提供していく。同部門は,VeriSign社による米Illuminet HoldingsおよびH.O. Systems社の買収によって新設した。なおIlluminet社とH.O. Systems社は,同日よりVeriSignのブランド名を使用することになる。

 「当社のインターネット・インフラに,Illuminet社のSS7信号処理とネットワーク・インフラ,H.O. Systems社の無線課金/顧客ケア・ソリューションを組み合わせることで,通信事業者が成長/顧客維持/売上確保するのに必要なエンドツーエンド・スイートを提供できる」(VeriSign社)

 VeriSing社が発表したサービスの内容は以下の通り。

・「NetDiscovery Service」:法律に基づいた通話傍受を行うことのできるソリューション。2002年6月30日までに提供する。これは,捜査当局が通話に関する捜査協力を通信事業者に求めることができる法案「Communications Assistance for Law Enforcement Act(CALEA)」に対応するもの。通信事業者は6月30日までにこれに対応しなければならないが,「NetDiscovery Serviceはそのためのターンキー・ソリューションとなる」(同社)。

・課金サービス:無線通信事業者向けの課金,精算,支払い,顧客ケア・サービス。プリペイド,後払い,前払い,料金上限など複数の支払い方法を利用できるようにする。

・ショート・メッセージング・サービス(SMS)の相互運用性:「Metcalf Global Messaging」プラットフォームにより,異なるサービス・プロバイダを利用しているユーザー同士が,モバイル機器を使って双方向のテキスト・メッセージを交換できる。

 さらに同社は,新たな技術プラットフォーム「Advanced Transaction Look-up and Signaling system(ATLAS)」を使ったサービスの提供も行う。ATRASでは,DNS,SIP,SS7など複数のプロトコルを使った通信に対応する。そのため,電話番号などの情報を提供するデータベース・プラットフォームとして利用可能という。「複数プロトコルの“橋渡し”を行うことで,加入電話,携帯電話機,PDA,パソコンなど,あらゆる種類の機器を使った異なるネットワーク間で,通信を行えるようになる」(同社)

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