米Symantecが米国時間7月17日に,2002年4~6月期(2003会計年度第1四半期)の決算を発表した。売上高は3億1600万ドルで,前年同期の2億2800万ドルから39%増と大きく成長した。一時的な費用を除いた純利益は6560万ドル(1株当たり利益は41セント)。前年同期の同条件の純利益3390万ドル(1株当たり利益は22セント)からほぼ倍増となった。

 一時的な費用を含めた会計原則(GAAP)に基づく純利益は5660万ドル(1株当たり利益は36セント)。同条件の前年同期損益は,2120万ドル(1株当たり損失は14セント)の赤字だった。

 事業別にみると,企業向けセキュリティ事業が総売上高の42%を占め,前年同期と比べ35%成長。企業向け管理事業は総売上高の18%を占め,前年同期比6%減。セキュリティ・サービス事業は前年同期比60%成長したが,全体で占める割合は1%である。消費者向け事業が総売上高の39%を占め,前年同期比90%増となった。なお,消費者向け事業を牽引したウイルス対策製品は,売り上げが芳しくなかった前年同期と比べ,133%増という飛躍的な伸びをみせた。

 海外における売上高は前年同期比40%増加し,総売上高の47%を占めた。最も急成長した地域はカナダで,前年同期比122%増加。次いで,日本が59%増,EMEA(欧州,中東,アフリカ)が32%増,中南米が26%増,アジア太平洋地域が23%増となった。

 またSymantec社は同日,米Riptech,米Recourse Technologies,米SecurityFocusの3社を買収することも明らかにした。総額約3億5500万ドルを現金で支払う。

 このうちRiptech社の買収金額は約1億4500万ドルである。Riptech社は,「Fortune500企業に名を連ねる55社をはじめ,30カ国の500社以上に包括的なセキュリティ監視/管理サービスを提供している」(Riptech社社長兼CEOのAmit Yoran氏)企業。Riptech社買収の手続きは,今年8月に完了する予定である。

 Symantec社会長兼CEOのJohn W. Thompson氏は「買収によって,次世代のセキュリティ技術,製品,サービスの提供が可能になり,継続的に安定した成長を実現できるようになる」と説明した。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]