米Oracleが米国時間6月19日に,「Oracle E-Business Suite」の人事管理システム「Oracle Human Resources Management System(HRMS)」用の新モジュール「Compensation Workbench」を発表した。同モジュールは「Oracle Self-Service Human Resources」の中核機能の一つで,従業員の評価や予算管理,承認といった作業を自動化することで,給与体系や褒賞配分の処理を行うためのもの。

 Oracle社は,「これまで給与に関わる作業では,紙の書類を使ったり,ほかのシステムと連携しないワークシートを使っていた」と説明する。それが原因となる間違いや見落としが起りやすかったという。「マネジャは,手違いによる従業員の追加/削除や評価変更,行うべき確認/承認作業の無視をしてしまうことがある」(同社)

 Compensation Workbenchでは,給与処理に必要な情報をすべてOracle E-Business Suiteに保存し,読み出すことができる。こうすることで,一貫性のある褒賞制度を実現するとともに,必要な作業の簡素化が図れるようにするという。

 「その結果,より正確にタイミングよく褒賞を実施できるようになり,優れた人材を引き止めることができる。しかも,給与処理にコストをかけずに済む」(Oracle社HRMSアプリケーション開発担当上級副社長のJoel Summers氏)

 企業のマネジャは,一度Oracle Self-Service Human Resourcesにサインオンすれば,昇給,ボーナス,ストック・オプションなどの褒賞管理作業を処理できる。「給与体系の運用を柔軟に実施でき,その体系の一貫性を保つのに役立つ」(同社)

 Compensation Workbenchは,インターネットと企業のイントラネットの両方からアクセス可能。そして,Oracle HRMSの給与モデルを利用できる。

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