米Oracleは米国時間6月13日に,同社のe-businessスイート「Oracle E-Business Suite」の「Oracle Human Resources」と「同Payroll」モジュールを中国向けに開発していることを明らかにした。リリースは2002年末を予定する。

 Oracle HRと同Payrollは,オーストラリア,香港,日本,韓国,ニュージーランド,シンガポール版がすでに利用可能である。Oracle社によると,アジア太平洋地域における「Oracle Human Resources Management System(HRMS)」の顧客は過去1年間で約2倍に増えているという。

 「人事業務は各国の文化や処理方法によって必要条件が異なる。Oracle HRMSはこうした条件を満たす拡張機能を一元的なグローバル・システムに追加し,さまざまな国のニーズに対応できるようにする」(Oracle社)

 Oracle HRMSではOracle社が保守と更新を行い,同社のOracle Support Services部門がサポート・サービスを提供する。例えば「Oracle Payroll」では,給与/報酬,年金/退職金,税金に関する各国の法改正に対応したサポートを提供する。

 なお,Oracle HRと同Payrollのローカライゼーションは,フィリピン向けもすでに完成しており,マレーシア向けが開発段階だという。

 またOracle社は,Oracle E-Business Suite向けのトレーニング・アプリケーション「Oracle Tutor」を簡体字中国語,繁体字中国語,韓国語,日本語に対応させることを同日明らかにした。2002年末に利用可能にする。Oracle Tutorには,フローチャート自動生成ツール,オンライン・ヘルプ統合ツール,トレーニング教材作成ツールなどが含まれる。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]