米Hewlett-Packard(HP)が米国時間6月19日に,無停止サーバー製品系列の新型ハイエンド・サーバー「HP NonStop S86000」を発表した。「ハードウエア面の性能向上を図り,業界標準への対応を強化した」(HP社)という。
「業界トップのフォールト・トレラント・サーバーであるNonStopサーバーは,金融/通信,リアルタイムなeビジネス環境など高性能と大量のメモリーを要求される用途において,中心的なトランザクション・エンジンとなる」(同社)
S86000は「MIPS R14000」プロセサを搭載する。既存の「NonStop S」製品系列のサーバーに比べ,キャッシュ・サイズは2倍,メモリ容量は4倍。HP社では,「新型の高速ハード・ディスク装置を内蔵し,I/O性能が25%向上した」と説明する。
同社によると,NonStop S製品系列のサーバーより約90%性能が高いという。「Javaアプリケーションで計測した場合,S86000の性能は『NonStop S74000』の2.5倍ある」(同社)
またHP社は同日,「HP NonStop S76」製品系列を拡充する計画についても明らかにした。現在同製品系列には,ハイエンドの「同S76000」とローエンドの「同S760」というサーバー製品がある。これらに加え同社は,ミッドレンジの「同S7600」とエントリー・レベルの「同S76」を2002年第3四半期にリリースする予定という。
新型のNonStopサーバーでは,オープンな技術であるJavaおよびWebサービスへの対応も行っている。その内容は以下の通り。
・Java Virtual Machine(SDK 1.3.1対応)
・「NonStop EAS release 1.1」:Java 2 Platform, Enterprise Edition(J2EE)ベースの企業向けアプリケーション・サーバー
・「NonStop JMS」:Javaメッセージング
・「NonStop SQL/MX 1.5」:データベース管理システム
・Java database connectivity(JDBC)
・Webサービス標準技術への対応
なお,HP社は同社のリアルタイム・エンジンをベースとした取り組み「HP Zero Latency Enterprise(ZLE)」のパートナとして,新たに米TIBCO Softwareと米SeeBeyond Technologyを加えたことも明らかにした。
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