(2001.9.9,Paul McDougall=InformationWeek

 米Hewlett-Packard(HP)による米Compaq Computer買収によって,製品ラインアップは今後どのように変化するのか。コスト削減の号令のもと,消え去る製品ラインは何か。HP社とCompaq社の首脳は詳細を明らかにしていないが,少なくともハイエンド・サーバーの“Himalaya”は安泰のようだ。

 NASDAQのCIOであるGregor Bailar氏は,Compaq社CEOのMichael Capellas氏が「フォルト・トレラント・サーバー“Nonstop Himalaya”は継続することになろう」と語ったことを明らかにした。「Himalayaが戦略製品ラインであるのは確か。Capellas氏の言葉に何の躊躇もなかった」(Bailar氏)。

 NASDAQはHimalayaのユーザーである。Himalayaは1日に数百万の株取引を処理しており,Himalayaの帰趨はNASDAQに大きな影響を及ぼす。いまやNASDAQはIT(情報技術)に依存している。6月にはシステムの停電で,短時間だが取引の停止に追い込まれた。

 Himalayaは,Compaq社にとってドル箱である。コンサルティング会社のTechnology Business Research(TBR)によると,Himalayaの売り上げとサービスの合計は2000年に18億ドルだったという。「売り上げの重要な部分を担っている」(TBRアナリストのLindy Lesperance氏)。

 「可用性を考えた場合,Himalayaレベルのマシンはなかなか見つからない」(Lesperance氏)。Hilalayaは実際,911の緊急電話システムや全世界の株式取引所で使われており,その依存度は高い。ちなみにCompaq社は1997年に米Tandem Computerを40億ドルで買収することによって,Himalayaの技術を手に入れた。

 この件に関して,Compaq社の幹部はコメントを避けている。

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