米IDCが米国時間6月13日に,世界サーバー市場について調査した結果を発表した。米国と日本の回復が予測ほど進んでいないことから,2002年第2四半期の市場規模を14.5%減に下方修正する。

 市場は2002年後半に回復するものの,前半の落ち込みを相殺するほどではないため,2002年全体の市場規模は前年比5%減となる。

 短期的にみると市場は依然として厳しい状態だが,2002年後半に始まる回復傾向は2003年に入っても続く。「約2年にわたって景気低迷に悩まされてきたサーバー市場は,2003年以降に回復の弾みがつく。今後5年間に年間平均成長率3.8%で拡大し,2006年には669億ドル規模に達する」(IDC,Global Enterprise Server Solutionsグループのバイス・プレジデントVernon Turner氏)

 地域別でみた場合,米国は2006年末まで最大市場の立場を維持する。日本を除くアジア太平洋地域と西欧がそれに続く。日本を除くアジア太平洋地域は今後5年間に年平均9%で成長する見通しだ。2003年以降のサービス展開に向けた電気通信サーバーへの投資が成長を牽引する。

 分野別では,ブレード・サーバーの成長が著しい。同分野の売上高は2006年に37億ドルに達し,出荷台数ではサーバー市場全体の20%を占めるようになる。「ブレード・サーバー分野はサーバー・メーカーに新たなチャンスをもたらす。また,サーバー管理やクラスタリング分野にも新たな需要を生み出すだろう」(IDC,Server and Infrastructure Hardware Research部門調査マネージャのMark Melenovsky氏)

 一方メインフレームのシェアは,2001年の13%から2006年には8%に縮小する。日本でUNIXあるいはWindowsベースにシステムの移行が進むことが,主な要因である。

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