米GartnerのDataquestが米国時間6月5日に,世界の製造の垂直市場におけるIT支出に関する調査結果を発表した。それによると,2002年の支出額は合計で3260億ドルにのぼり,2001年の3090億ドルに比べ5.5%増加するという。
同年における製造の垂直業界におけるIT支出の成長は小幅だが,1.3%縮小した前年から見れば大きく上向いている。2005年まで同業界における支出は1けた代の成長を続け,4070億ドルを越えると予測される。
「景気後退とeビジネスのバブル崩壊により,製造業はIT予算増加の歯止めを余儀されなかった。自動車業界などのいくつかの製造業部門では,同年において引き続きIT予算を削減する」(同社)。
2000~2005年の製造業界のIT支出において,ソフトウエアとITサービスの部門が急成長を遂げる分野となる。それぞれ年間13.3%と10.8%の成長が予測される。ITサービスが同業界においてもっとも大きいIT支出分野となる。また,ハードウエアとネットワーキング機器は,それぞれ年間成長率3%と3.1%で増加する。
「経費削減と生産性を向上させるソリューションだけを扱うITベンダーは,市場シェアを失う恐れがある。景気停滞の最中でも大手製造業者は,生産性を向上させるプロジェクトではなく技術革新,競争上の優位,顧客満足度を重視している。ITベンダーは,景気が回復し,IT需要が戻ったときに備えて戦略を練る必要がある」(同社)。
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